個人的に便利だなと感じる英語フレーズ(完全に独断と偏見です)
普段比較的英語と触れ合う機会が多い環境で仕事をしているのですが(体感チャット・メールの7割ぐらいは英語で、英語のミーティングもそれなりにある)、そうした中でコミュニケーションをするのに、個人的に便利だなと思ったものをつらつら書いてみます。
注意事項としては、私自身はもちろんのこと、相手もネイティブではないことが多いので、正しくないとか不適切とかそういうものを含んでいる可能性もあります。あくまでも私個人の独断と偏見ということで。もちろん、間違って理解しているところとかFB頂く分には歓迎です。あと、直接の会話よりもチャットとかの方が多いので、そういうシーンに偏っているかもしれません。
挨拶、返事など
not at all / np / My pleasure / thank you, too
相手に頼まれて何かしてthank you
的なことを言われた後、返答シリーズです。他にもあるとは思いますが。個人的にはnot at all
とthank you,too
が好きで良く使ってます。
Great / Excellent
相手の作業待ちで、進捗の連絡とか受けたときに、sure
とかだとちょっとさみしいな、テンション低いなと感じたらGreat
とかExcellent
とか言ってテンション高く応えるのが楽しい感じがして良いかなと思ってます
Hi there / Hello there
なんとなくHi
だけだとさみしいときにHi there
というという方がちょっと陽気な感じがするかなと。日本語だと「やぁ」じゃなくて「やぁ!」みたいな?このthereに意味はないみたいなので、Hiだけでも良いので、便利とはちょっと違うかも。。。
I'm looking forward to
受験で頻出だったような記憶があるこの表現ですが、メールとかの締めで前向きなことを言いたいときに使ってます。
表現方法を何となく気にしているもの
Let me
例えば、問い合わせとか受けたときに、I will check it
ではなくて、Let me check it
と言う方がこなれてる感じがするかなと。あとは「知らせて」というときに、Please tell me
じゃなくてLet me know
とか。色々使えて便利です。
every single
毎回とか毎日とかevery time
every day
じゃなくてevery single time
every single day
の方が、毎回毎回感が出るみたいです。毎回毎回これやるのめんどくさいよね、みたいな時に使うと良いのかなと。
I'm sure / I guess / I'm wondering
「〜だと思うんだけど」と言いたい時に、確信度によって変えてます。この辺は本当にニュアンス伝わっているかも分からないので、自己満足感が強いです。あと、sureって結構確信してるニュアンスっぽいですが、違ってるかもと思っててもsure
と言ってしまってます。
認識合わせたいときに使っているもの
I mean / you mean
相手との認識齟齬を防ぐための補足、みたいな使い方ができて便利だなと思います。日本語訳だと「つまり」とかになるみたいですが、自分の感覚としては「〜ってことですか?」「〜ってことが言いたいんですけど」というような言い換えに使ってます。
make sure
相手にちゃんとやってね、ちゃんと認識しておいてね的なニュアンスでPlease make sure to close the ticket
みたいに使ってます。自分の中ではちょっと高圧的な感じを持っているんですが、実際のところは分かりません。
My concern is
質問とかしたときに、気になっているところを強調して説明するのに使ってます。My concern is we cannot restart the application from our side at the maintenance.
みたいな感じでしょうか。。。
その他
you know
これは願望。ちょっと言葉に詰まったときにyou know
と言えるようになりたいです。話すのはとても苦手なので、you know
と言う前に詰まって黙るのが現状。
人材開発研究大全 第2章採用面接 まとめ
人材開発研究大全 第2章の内容について読書メモです。
こちらの読書会に向けた事前のまとめになっています。 career-update-org.connpass.com
TL;DR
- 面接は組織と応募者両方にとって納得度の高い採用選考手法で、今後も活用される可能性が高い
- 評価内容や実施方法では、様々な変化が求められている
- 精度向上とリクルーティング機能強化療法の研究と知見の提供が求められる
なぜ面接評価は何の役に立つのか
採用面接を取り巻く環境
- より自律的で柔軟に環境に適応する能力が求められている
- 評価すべき人物特徴が変化したため、これまでと同じ面接方法では同じ精度を期待できない
採用面接に期待する機能
- リクルーティング
- 応募者に関する情報収集
- 人物特徴の評価
- 選考を進める、採用する、などの意思決定
面接評価の有効性
- 実際に面接は入社後のパフォーマンスをどの程度予測できているのか
- 妥当性は高い。特に構造化された面接の場合高い
- 構造化面接とは、事前に評価する人物特徴を決め、評価するための質問と回答を評価するための評定項目を準備して実施する面接
- 妥当性は高い。特に構造化された面接の場合高い
- ただし、どのような人物特徴が面接で評価されるかに関して研究が少ない
- 評価指標を定めても、面接において適切に評価されているかはっきりしていない
何を評価するべきか
評価の概念的枠組み
- 職務との適合評価(スキル面など)
- 組織との適合評価(組織文化など)
- 面接場面での一般的な対人評価
二重過程モデル
- 対人の認知として2種類の評価(認知)を行っている
- 過去に学んだこととの単純な連合を用いた短時間の評価:一般的な対人評価
- ある程度の時間を必要とする、ルールを用いた理性的な認知:組織との適合評価
面接評価の精度向上
職務との適合評価
- 構造化面接が有効
- ポテンシャルをどう評価するかが課題
組織との適合評価
- 明確な採用基準にされていない場合もある
- どのような人物特徴を評価するか明確にする
- 構造化面接が有効
面接場面での一般的な対人評価
- 性格特性と面接評価との相関で「外向性」と「情緒不安定さ」は相関があった
- 「外向性」は高いほど評価が高く、「情緒不安定さ」は高いほど評価が低い
- どのような人物特徴が評価されるのかは、今後の研究課題の1つ
リクルーティング機能
- 直接会って話をするより、電話やネットを通じての面接の方が満足度が低下する
人材開発研究大全 第6章エンゲージメントを高める大学授業 まとめ
人材開発研究大全 第6章の内容について読書メモです。
こちらの読書会に向けた事前のまとめになっています。 career-update-org.connpass.com
TL;DR
- エンゲージメントを高めることが重要(成果の向上に繋がる)
- エンゲージメントは複雑で状態は絶えず変化する
- 頻繁にフィードバックを受けながら改善を続けるべき
大学教育での改善を行うためにエンゲージメントが注目されている
- 大学で培われる力「学士力」
- 学士力を育むために様々な取り組みをして、「大学教育の質保証」に繋げる
- 質保証に繋がる教育改善を行うために注目されているのがエンゲージメント
まず、エンゲージメントの定義を検討
NSSEによる学生調査
- NSSE(National Survey of Student Engagement)が中心となって学生調査が行われている
- NSSEにおけるエンゲージメントは行動面を重視している(量的調査)。時間と努力の総計
- 5つの指標:「学習課題の水準」「能動的学習と協調学習」「学生と教職員とのインタラクション」「キャンパスの支援環境」「豊かな教育経験」
- 2013年に改定:「学習課題」「学友との学び」「教職員との経験」「キャンパスの環境」+高インパクト実践
- 行動だけでなく、認知への着目という変化
学生調査におけるエンゲージメントの課題
- 質的内容が不足
- エンゲージメントの複雑性や不確定さが表現されていない
エンゲージメントの構成面と状態
- エンゲージメントは2〜4つの構成概念で説明される
- 行動面、感情面、心理面、認知面
- 感情面のエンゲージメントに関連するものとして「動機づけ」「フロー」がある
- 授業におけるエンゲージメントはアクティブラーニングと動機づけが相乗的に影響し合うもの
- 動機づけはエンゲージメントの前提となる
- 感情面のエンゲージメントと動機づけは区別されており、動機づけの先にあるものがエンゲージメント
- 行動面、感情面、認知面は、それぞれポジティブ/ネガティブな状態を持つ(組み合わせる)
- 「行動面はポジティブで、感情面はネガティブ」という状態がありうる
- 授業中の学生は絶えず変化するエンゲージメントの状態にある
エンゲージメントの定義
エンゲージメントとは、学習への動機づけや学習の楽しさ等のポジティブな感情を持ちながら、積極的に学習に参加すること
大学授業と仕事でのエンゲージメントの接点
- 大学時代にエンゲージメントを高める経験をすることが、仕事やその後の人生においてもエンゲージメントの体験を得ることに繋がるので重要
エンゲージメントを高める大学授業に必要なこと
- エンゲージメントとは人と環境との相互作用の心理現象の質
- 生徒個人の欲求に注目する
- 関係性の欲求、自立性の欲求、有能性の欲求
- こうした欲求を満たすことがエンゲージメントの促進に繋がる
- やり方としては、協調学習や教員とのインタラクションなど
- 例として、クリッカー
- ただし、形式よりもどのように行うのかが重要
- 講義形式でも頻繁に質問をすることでエンゲージメントを高めるなど
- 教員の働きかけや学習支援の有用性を確かめる機会が必要
- CLASSE(Classroom Survey of Student Engagement)という調査
- 毎回の授業における学生のエンゲージメントの状態を把握する
- 状態の把握と改善というサイクルが重要
Regional Scrum Gathering Tokyo 2018 1日目 メモ
1日目に参加して、忘れないうちに走り書きメモ
Keynote
Build a Workplace People Love – Just add Joy
ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメントのMenlo Innovations CEOであるRich Sheridanさんのお話。
Joy Incは去年のScrum Gatheringの抽選で当たって読んでましたが、また読みたいなと思えるエモくて良い話でした。
- chaosな状態だと作れなくて、それをどうにかしようとbureaucracy(官僚的)な状態になると始められなくなる
- 人と人の関係を基礎とした組織。喜びを大事にする。
- 喜びというのは、誰かに貢献することによって得られる
- 恐怖と戦い、変化を受け入れられるように。変化を生むために、うまくいくか実験をしていく。
- 実験は小さいものから始めると良い
Cultural context is everything
コンテキストに依存した理解、認知というのは、理解とは何か (コレクション認知科学 2)を読んで以来気になっています。日本で「儀式」というと「思考停止した作業」のようなネガティブなニュアンスを含むこともあると思うのですが、合理的な理由の無い作業に文化が反映されている、他からは意味がないように思えても当事者には意味がある、というような話で、そういう捉え方があるのかと新鮮でした。
一方で、合理的でないように思えるけど組織的に大事な儀式と本当に無駄なものの区別って難しそうだなという印象を持ちました。
- よその事例を真似してもうまくいかないのは、その事例の背後に隠された文化的なコンテキストがあるから
- 文化は指紋のようなもので、uniqueで、正確にコピーすることはできない
- うまくいっている事例の背後には、強いidentityがある
- アンチパターンがあるわけではなくて、改善すべきプロセスがあるだけ
- プロセスはpracticeによって行われるものではなくて、principlesから行われるもの
- 文化ははっきり形があるものではないが、ritualが文化を反映する
- 自分たちの文化を創り上げましょう
チームワークあふれる働き方を目指して -サイボウズが歩んだスクラム導入の道-
https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2018/schedule/rich#session-24279-info
www.slideshare.net
会社内で誰もスクラムを実施したことが無い状態から、1チームに導入、その後全社的にも広がってきているというお話。前段の話から、単にやり方をまねしてもうまくいくわけではないのですが、エンバジェリストっぷりが大変参考になるお話でした。
最初、爆死というぐらい失敗したそうですが、その際にも、特にScrumを辞めようという話は出なかったとのこと。目的をしっかり合わせることが出来れば、辞めても問題解決にはならないので、よりより手段を探す、ということになるのかなと思いました。
また、一部の成功事例がそのまま全社的に広がっていく文化は羨ましいです。
6 Years Of Teaching Certified Scrum Developers: Re-spec, Re-design & Re-entry
https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2018/schedule/rich#session-24281-info
CSDのお話。CSDはすごく良いという話を聞いたことがあったのですが、機会があれば是非受けたいなと思う内容でした。
- 早く開発するだけでは意味がなくて、価値を届けることが大事
- 良い開発チームとはどういうものかを学べる
- keyword: knowledge, creation, preservation
- CSDは5日間で、70%は実際に開発の時間
- 5日間で、1スプリント。これは、できるだけ本当の開発に近づけるため
- それまでの研修で作られたコードを引き継いで、続きの開発を行う(1週間で全員が辞める会社のような状態)
- 前のチームが得た知識をちゃんと保存しておくことが大事。テストコードによって残す。それによってすぐに開発に着手できる。
- エンジニアは学び続けないといけない。不足している知識はon demandで学ぶ。
- TDDを通じて学ぶ
- 1スプリントなので、振り返りを通じての学びはトレードオフとして諦めている
- 開発チームのビルディングは講師が務めるスクラムマスターの役割。逆に言うと、スクラムマスターの手本も見られる。
Walking Scrum History with Patterns
https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2018/schedule/rich#session-24283-info
Scrumのパターンを集めたサイト http://www.scrumplop.org/ が気になりました。パターン・ランゲージはまだちゃんと理解できていないので、併せて抑えていきたい・・・
唐突ではありますが、アジャイル開発の副読本としてless.worksをお薦めしたいです
背景
アジャイル開発とかScrumとかって何?と思った人が、アジャイルマニフェストとか、Scrumガイドを見ても、あんまり具体的なことって書かれていないなと思ってます。(それを否定する意図は全くないですが)
一方で、アジャイルのレフトウイング、ライトウイングという言われ方もしますが、出て来る話題の幅は広いです。
「TDD」「CI/CD」などの開発手法(ライトウイング)の知識も必要だし、「ファシリテーション」「問題分析」のようなチーム・人に関わる知識(レフトウイング)も必要になります。もちろんロールなどによってどのくらい必要になるかも様々だとは思いますが。
でも、アジャイルマニフェストにも、Scrumガイドにもそういうことは全然載っていないわけです。それで、色々話を聞いたり、本を読んだり、認定研修を受けたりして、あー、何となくこういうことか、と自分なりの理解をしていくのが良くあるパターンなのかなと想像していますが、
レフトウイングもライトウイングも手広くカバーしてくれているものとして、less.worksをお薦めしたいです。
イメージとしては、社会人としての基礎知識を得るのに中小企業診断士の勉強をする、みたいな感じで、必要条件でも十分条件でもないんですが広く浅い知識を得られる感じです。
less.worksとは
LeSSというのは、large-scale Scrumのことで、基本的に1チームであるScrumを2チーム以上に拡大するときに使う(大規模Scrumに使う)フレームワークの1つです。ちなみに大規模アジャイルの方法は、LeSS以外にも、SAFeとかNexusとかいくつかあるみたいです。
less.worksには、そのLeSSの説明が載っているのですが、LeSSそのものの話だけではなく、LeSSを支えるプラクティス・考え方についても丁寧に説明しているので、LeSSをやりたい人じゃなくても、読むと有益なのでは、と思っています。
もうちょっと具体例を
例えば、
Principlesには、
- Lean Thinking
- System Thinking
- Continuous Integration
- Unit Testing
- Test Automation
などが書かれています。
あとは、Managementという章があったりもします。
読んでもらえると分かると思いますが、それぞれ結構ボリュームがあります。でも、本を1冊読むよりは遥かに軽いです。 この軽すぎず重すぎずが良い感じかなと思ってます。
less.worksの魅力
ここまでで、まだあまりless.worksの魅力が伝えられていないと思ったので、残りで思いつく限り私の感じた魅力を羅列したいと思います。
TRANSPARENCYの人がかわいい
ROLE OF MANAGERが遊んでいるようにしか見えない
https://less.works/less/technical-excellence/unit-testing.htmlより引用
Unit Testの重要性が分かりやすい
以上です。
Large-Scale Scrum: More with LeSS (Addison-Wesley Signature Series (Cohn))
- 作者: Craig Larman,Bas Vodde
- 出版社/メーカー: Addison-Wesley Professional
- 発売日: 2016/08/20
- メディア: ペーパーバック
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素朴理論から考えるおじさんの生きる道
教育心理学関係 勉強会/読書会 Advent Calendar 2017 9日目の記事です。
素朴理論とは
正確な定義は、各種専門書をご参照頂きたく、私の理解では、となりますが、自分の経験によって得た理論を「経験則」や「素朴理論」と呼びます。科学的に洗練された理論ではないので、「素朴」ということらしいです。
多くの科学理論も最初は素朴理論であり、それが研究や実験などで洗練されていくことで、科学理論になっていく。なので、科学的には間違っていて淘汰される素朴理論もあれば、科学的にも正しくて生き残る素朴理論もあって、現時点で科学理論となっているものもさらに洗練されて変わっていくこともある、という様に捉えています。
素朴理論の存在意義
私たちは、なぜ素朴理論を持つのでしょうか。教育心理学概論 第5章(P.69)によると
人は,小さい時から身の回りで起きることを観察して,一定の規則性があるものとして捉えようとする。規則性が捉えられると次に何が起こりそうか予測できるようになるので,便利だからだろう。
とありますので、例え、科学的でなくても、自分なりの理論を持っていると、先が読めて便利だ、ということがメリットのようです。
素朴理論の例
例えば、こういうのが素朴理論の例かなと思います。
- 教科書100回読めば、テストで100点取れるよ
- 1回つらいことを経験すれば、成長できるよ
- 雨っぽい匂いがするときは、この後雨が降る
絶対に外れるわけではないけど、科学的に正しいとは言えないかなー、という内容。あと、他にもっと良い方法あるかも、という印象。
おじさんとして考える素朴理論の課題
自分自分の話として、たくさんの素朴理論を持っているのだろうと予想しています。一方で、素朴理論の目的が、「先が読めて便利だ」だとすると、 素朴理論は、予想通りの結果を伴ってはじめて有用ではないかと考えています。
そこで、 おじさんとしては、昔は通用した素朴理論が、今も使えるとは限らないなー と思うわけです。
一番典型的な例が、「笑い」です。
感覚的な、「このタイミングで、これを言うと受けやすい」みたい素朴理論が結構あると思っていて、それがいつまで通用するか(していたか)、自分で気付くことができるのでしょうか…
素朴理論との付き合い方
延々とすべり続ける恐怖に震えていても何も進まないので、素朴理論との付き合い方を考えます。
素朴理論は確実ではない
素朴理論は、自分の経験から作られるので、うまくいった(予想通りだった)経験に基いていると思います。そのため、それが正しいと信じがちですが、一方で、科学的概念との最大の違いは、確度ではないかと思います。つまり、科学理論の方がより確かにその結果を期待できて、素朴理論の方が確からしさが低く期待する結果が得られないかもしれない。
自分の期待値とは裏腹に、確度としては高くない、という事実をまず理解して使うことが大切だと思います。
素朴理論を変化させる
一度うまくいった素朴理論を人は使いたくなるし、維持したくなるのではないかと予想しますが、それを変化させていくことが大切ではないかと思います。特にうまくいかなかったとき。
最初すべるのは仕方ないけど、すべったことで学習して素朴理論をアップデートすることが大切ではないかと思います。
他人に強要しない
ついつい自分がうまくいったので、他の人も同じようにやると良い結果が出るのではと、お薦めしてしまうこともあると思います。「この勉強法すごくよかったら、やってみると良いよ」みたいな感じです。
もちろん有効なことも多々あるとは思いますが、素朴理論の範囲であれば、他の人によって予想通りの結果が得られるとは限らないので、お薦め程度に留めるのが良いかと個人的には考えています。
場を見極めて有効に使っていく
注意点のようなことをたくさん書きましたが、基本的には便利だから我々は素朴理論を使うのだと思います。そして、経験からしか作られないので、年齢を重ねている人は、単純に機会の多さとして、より洗練された素朴理論を持つことに有利だと思います。
思い上がるのは良くないですが、経験則から、トラブルを予期して予防するなど、素朴理論を使うべき場も当然多々あります。そのように場を見極めて有効になるように使っていくことが(それを見極められることが)、重要ではないかと思います。
学習科学ハンドブック 第二版 第2巻: 効果的な学びを促進する実践/共に学ぶ
- 作者: R.K.ソーヤー,R. Keith Sawyer,大島純,森敏昭,秋田喜代美,白水始,望月俊男,益川弘如
- 出版社/メーカー: 北大路書房
- 発売日: 2016/10/24
- メディア: 単行本
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知的構成型ジグソー法の薦め
教育心理学関係 勉強会/読書会 Advent Calendar 2017 - 1日目の記事です。
教育心理学関係 勉強会/読書会とは
月に1回程度のペースで教育心理学関係 勉強会/読書会という読書会が開催されており、そちらによく参加させて頂いております。
最初は、教育心理学概論 (放送大学教材)という本を読むことで始まりましたが、読了後、さらに関連書籍を読んだり、気になる本を紹介し合うなどの活動を行っています。
この読書会は、 知的構成型ジグソー法で行っているのですが、自分1人で読むときよりも、理解が深まり、記憶にも定着し、実際に業務などで知識を活用しやすいという実感があります。お薦めです。
知的構成型ジグソー法とは
詳しくは、東京大学CoEFの知識構成型ジグソー法を確認頂くのが良いと思います。 先述の教育心理学概論 (放送大学教材)の中でも触れられています。
私たちの場合は、以下のような流れで進めています。
- 毎回、例えば1〜3章を読むと決めたら、○○さんは1章、△△さんは2章というように、事前に読む章を決めておきます(少なくともその章は読んでいる状態で参加します)。
- 読書会では、まず1章を読んで来た人、2章を読んで来た人、と、章ごとに別れて、その章の内容について話し合います。(エキスパート活動)
- その後、1章を読んだ人、2章を読んだ人、3章を読んだ人の3人で1つのグループを作り、それぞれの章の内容の紹介や、それぞれの章で得た知見を元に、ディスカッションをします(ジグソー活動)
- 最後に、各グループでどんな話題が出たのかを他のグループとシェアします。(クロストーク)
場に先生はいないですし、明確な「問い」を持って始めているわけではないので、もしかしたら厳密にはジグソー法とは言えないのかもしれないですが、このように「エキスパート活動」「ジグソー活動」「クロストーク」を意識して読書会を行っています。
なぜ知的構成型ジグソー法が良いのか
これも、学術的なちゃんとした理由は、別途確認頂いた方が良い、という前提にはなりますが。(個人の感想であり、、、)
エキスパート活動→ジグソー活動→クロストークという流れの中で、色んな人の意見と合わせていける(積み重ねていける)ことが良いのかなと思います。
まず、エキスパート活動開始の時点では、本を読んできた自分1人の知識です。それが、「ここはどういう意味だろう」とか「ここがすごく良かった」など、グループ内の人と協力して、書いてある内容の理解を深めていけます。少し狭いスコープの中で、複数人の知恵を集めて理解を作っていくようなイメージです。
次のジグソー活動では、そうした知恵の集まりをさらにぶつけることができます。 理解した内容をすぐに人に説明することも有意義ですし、他の章で出てきた内容について「自分の章の○○という内容とも通じる」など、互いの章の内容を合わせて理解を深めるなど、色んな視点を持って理解を深めることができます。
最後のクロストークも同様です。人が違えば議論の内容が違ってきたりするので、他の意見を聞くことで、「なるほど」と思うことが多いです。こうした気付きが理解を深めることに通じます。
また、もしかしたら、自分がエキスパート活動した章だけについて詳しくなる印象を持たれるかもしれませんが(まぁ、実際、多少そういう面はあるとは思いますが)、ジグソー活動で他の章についても良く分かります。あくまでもエキスパート活動は1つの部品作りであって、最終的にはそれを組み合わせて1つの理解を作っていくようなイメージ(なので、他の章も理解を深めていくことになる)かなと思います。
難しい本を読むときに特に良いと思います
これも完全に個人の意見です。
分厚い本とか内容が難しい本とか、読みたい(興味がある)けど読めていない、というケースはしばしばあるかなと思います。そういう本を知的構成型ジグソー法で読むのは特にお薦めです。 逆に言うと、難しくない本とかは、知的構成型ジグソー法でやるより、自分1人でさっさと読んだ方がすぐ終わって良いかなと思います。
理由としては、
- 1人で読むよりも他の人と協力した方が理解がしやすい(理解が深まる)
- 1人で読むより途中で挫折しにくい
からです。
ただ、エキスパート活動とジグソー活動を考えると、最低6人はその本を読みたい人を集めないといけない、というのが、知的構成型ジグソー法の最大の難点ではないかと思っています。
というわけで、読みたい本がある方は、一度、教育心理学関係 勉強会/読書会に来てもらえると、一緒に読む人を見つけられるかもしれません。*1
- 作者: 三宅芳雄,三宅なほみ
- 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
- 発売日: 2014/03/01
- メディア: 単行本
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*1:結果を保証するものではありません