人材開発研究大全 第6章エンゲージメントを高める大学授業 まとめ
人材開発研究大全 第6章の内容について読書メモです。
こちらの読書会に向けた事前のまとめになっています。 career-update-org.connpass.com
TL;DR
- エンゲージメントを高めることが重要(成果の向上に繋がる)
- エンゲージメントは複雑で状態は絶えず変化する
- 頻繁にフィードバックを受けながら改善を続けるべき
大学教育での改善を行うためにエンゲージメントが注目されている
- 大学で培われる力「学士力」
- 学士力を育むために様々な取り組みをして、「大学教育の質保証」に繋げる
- 質保証に繋がる教育改善を行うために注目されているのがエンゲージメント
まず、エンゲージメントの定義を検討
NSSEによる学生調査
- NSSE(National Survey of Student Engagement)が中心となって学生調査が行われている
- NSSEにおけるエンゲージメントは行動面を重視している(量的調査)。時間と努力の総計
- 5つの指標:「学習課題の水準」「能動的学習と協調学習」「学生と教職員とのインタラクション」「キャンパスの支援環境」「豊かな教育経験」
- 2013年に改定:「学習課題」「学友との学び」「教職員との経験」「キャンパスの環境」+高インパクト実践
- 行動だけでなく、認知への着目という変化
学生調査におけるエンゲージメントの課題
- 質的内容が不足
- エンゲージメントの複雑性や不確定さが表現されていない
エンゲージメントの構成面と状態
- エンゲージメントは2〜4つの構成概念で説明される
- 行動面、感情面、心理面、認知面
- 感情面のエンゲージメントに関連するものとして「動機づけ」「フロー」がある
- 授業におけるエンゲージメントはアクティブラーニングと動機づけが相乗的に影響し合うもの
- 動機づけはエンゲージメントの前提となる
- 感情面のエンゲージメントと動機づけは区別されており、動機づけの先にあるものがエンゲージメント
- 行動面、感情面、認知面は、それぞれポジティブ/ネガティブな状態を持つ(組み合わせる)
- 「行動面はポジティブで、感情面はネガティブ」という状態がありうる
- 授業中の学生は絶えず変化するエンゲージメントの状態にある
エンゲージメントの定義
エンゲージメントとは、学習への動機づけや学習の楽しさ等のポジティブな感情を持ちながら、積極的に学習に参加すること
大学授業と仕事でのエンゲージメントの接点
- 大学時代にエンゲージメントを高める経験をすることが、仕事やその後の人生においてもエンゲージメントの体験を得ることに繋がるので重要
エンゲージメントを高める大学授業に必要なこと
- エンゲージメントとは人と環境との相互作用の心理現象の質
- 生徒個人の欲求に注目する
- 関係性の欲求、自立性の欲求、有能性の欲求
- こうした欲求を満たすことがエンゲージメントの促進に繋がる
- やり方としては、協調学習や教員とのインタラクションなど
- 例として、クリッカー
- ただし、形式よりもどのように行うのかが重要
- 講義形式でも頻繁に質問をすることでエンゲージメントを高めるなど
- 教員の働きかけや学習支援の有用性を確かめる機会が必要
- CLASSE(Classroom Survey of Student Engagement)という調査
- 毎回の授業における学生のエンゲージメントの状態を把握する
- 状態の把握と改善というサイクルが重要