#RSGT2020 Regional Scrum Gathering Tokyo 2020  に参加した後の気持ちのダンプ

Regional Scrum Gathering Tokyo 2020に参加してきましたので、今考えていることをできるだけ残せるように書き連ねていきます。

総括

本当に刺激的で楽しい時間でした。個人的にテンションが上がりにくくなっているのが最近の課題だったのですが、最終日の帰りに散歩しながら自分たちのNextActionを話し合っていたら、御茶ノ水から高田馬場まで歩いてしまったぐらいには、テンションが上がりました。

セッションももちろん素晴らしかったのですが、参加者同士で色々な話をするのが本当に楽しくて、なので、最終日のOST最高だなという気持ちでした。

そして、なぜそんなに楽しいんだろうかと考えていると、クロージングキーノートで会社を越えた仲間とかコミュニティだとかの話が出て、あーそうですよねそれですよね、となった後にとどめの「We are not alone」で締められて、本当に最高の体験でした。

クロージングキーノートの間にかなりの時間を取ってコミュニティ紹介をしていたのも印象的で、自分もかつてなんとなく参加したカンファレンスで紹介されたコミュニティに行ったことで人生大きく変わった経験があるので(もちろん現在進行形でコミュニティには大変お世話になっているのですが)、こういう紹介を通じてコミュニティに行って仲間を見つけられる人が増えたら良いなと感動していました。全然自分は貢献できなかったのですが、参加しているだけでも知っているコミュニティをちゃんと紹介して下さる方や、「四国はないんですか?」という質問から、単なるコミュニティの宣伝ではなくて(それでも全然良いんですが)、1人1人に対してコミュニティを見つけていく大事さをみんなで伝えている感じがして、本当に胸熱でした。尊敬、感謝。

自分のNextActionとしては、自分が趣味で学んでいる認知科学とか学習科学関連の内容を参考に、チーム・個人の学習を支援するようなアウトプットをしていきたいなと考えていて、RSGT期間中にSCRUM FEST Osaka 2020にProposalを出したりもしたのですが、勉強会や発表からのFBなどを通じて、よりよい伝え方を模索していきたいなと考えています。

セッションなど個別の感想

発表資料はこちらにリンクが加えられるというお話だったので、個別の参照は省略します。

見積りしないスクラム / NoEstimates Scrum

昨年夏のAgile2019でご一緒して以来マブダチさせて頂いている陶山さんの発表で、友人バイアスを考慮しても、すごく聞きたい内容で楽しみにしていました。NoEstimatesは以前から聞いていて何か読んだりもしたと思うのですが、全然ちゃんと腹落ちできていなくて、具体的な事例を聞いて大事な部分を把握したいというのが個人的な期待値でした。

実際に発表を拝見したところ、「見積もりしない」の言葉にはインパクトがありますが、着実に具体的な課題と向きあって解決していった事例のお話で、発表内容でも触れられていましたが、見積もりの仕方だけですべてが解決したわけでもなく、「つらい見積もりをやめた話」ぐらいのニュアンスなのかなという印象を持ちました。向き合った課題としては本当にあるあるの内容かと思いますし、自分を含めて多くの方の参考になる考えだと思います。必読。

あと、陶山さんはいつも(Agile2019でのLT前を除いて)本当に楽しそうな表情をされているのが印象的で、見ているこちらも楽しくなる力があると思っていて、自分も見習っていきたいなと常々感じています。

テックリードは未来の話をしよう (Tech Lead in Scrum)

椎葉さんのお話は、現実と向き合ってどうにか良い方法を考えていくという点で、いつもとても勇気がもらえるのですが、今回もさすがの内容で、発表中頷きすぎて首を痛めました。

Scrumは自己組織化チームを前提にしているけど、そこに至れていないチームもあって、それを補う(そういうチームになっていくこと支援する)ための役割としてテックリードがあって、というロジックには納得感がありつつ、それって経験者のいない Scrumチームがチーム外のCoachを呼ぶのと似たような形の、スペシャリストがチームの学習・成長を支援するパターンと捉えたりもできるかなとか考えていたら、ちょうど「テックリードはチームの中ですか、外ですか」という質問をして下さった方がいて、椎葉さんの回答は「中」でしたが、具体的には完全にチームに入っているわけではないということで(「中とは」「外とは」の定義問題的な話になりそうなので)、なんとなく分かった気になりました。

あとは、「Scrumは自己組織化チームを前提にしているけど、そこに至れていないチーム」において、テックリードと呼べる人がいないケースもあると思っていて、チームとして不足している知識を学習していく場合と、どこかからテックリード(もしくは他のなにか)を連れてくる場合とがあるかなと思うのですが、どちらもそれなりにつらい気がして、「Scrumは自己組織化チームを前提にしているけど、そこに至れていないチーム」はどうやって未来の話をしたら良いのかなとか考えていました。どこかに良いパターンはありそうですが。

大企業の縦割り組織の中でProduct Discovery Teamを作ってサービスをリリース出来た話

こちらも事前にとても聞きたいと思っていた話で、自分もまさにこうした内容に悩んでいるので、参考にさせて頂きたく拝見しました。

内容は本当に素晴らしくて、奮闘の具体的な手続きももちろん素晴らしいのですが、大事なことを一言で表してしまうと「愛」で、Whyからはじめるというか、ScrumをやりたくてScrumをやっているわけではなくて、「この人に良いものを届けられるなら何でもしますよ」的なスタートからの試行錯誤、ものづくりの原点のようなお話が聞けて、自分の気持を新たにすることができました。

OST

すみません、タイトルはこんな感じの内容というもので、正確なものではないです

共感トランプをやってみる

近頃とても仲良くして頂いているSaitoさんが持ってきた共感トランプをやってみましょうという時間。Saitoさんは最近非常に熱心にNVCを学ばれていて、その中のアクティビティとして共感トランプがあるという認識なのですが、思った以上に良くて自分も欲しくなりました。

詳しい内容の説明をここでするのは諦めますが、印象的だったのはこのトランプは相手の気持ちに共感するためのものではない、自分の気持ちに気づくためのものだということが強調されていたことです。なので自分1人で使うこともできるし、自分だけでは気付かないこともあるので、他人に協力してもらってこういう気持ちなのではないかという提案を受けることもできる、というような内容でした。

私は認知科学とかに興味あって、学習を支援するものとしてメタ認知の考えはとても良いと思っているのですが、理論を学ぶことと、実際に理解して使えるようになることの間には大きな壁があると思っていて、こういうアクティビティを通じて体験を促せることは有用そうだなという感想を持ちました。NVCメタ認知には共通する部分も多く、NVCも勉強中なのですが、色々な人がうまく取り入れられるような何かを提供できないかなということに強い興味を持っています。

FeedBackがなぜ大事なのかエレベータピッチを作る

katzchangさんが今New Relicにお勤めということで、FBを提供するツールを売るためにFBの重要性を1分で伝えるためのエレベータピッチを作ろうというテーマでした。

この時間でおもしろかったのは、自然とkatzchangさんがPOで参加者が開発チームというような役割ができて、OST期間中に2スプリント実施して、どんどんピッチが良くなっていることが体験できたということです。

katzchangさんが最初に目的とかピッチが欲しい理由とかを明確に伝えてくれた後は綿密な計画を立てたわけでもなく、やりながら色々考えて、途中でリファインメントも発生してバックログのプライオリティを変えたりして、一度とりあえずピッチを作ってちょっと気になるところに新しくフォーカスして案だしして、最後には満足感のあるピッチができて、とスピーディに変化していく流れがとても勉強になりました。

三河スクラムフェスを作る

愛知県三河出身ということで行かないわけにはいかないなと思い参戦しました。

ちょっと三河のローカルネタに走りすぎてしまった反省もありますが、川口さんAkiさんNemotoさんといった実際にフェスを作っていらっしゃる方がどんどん具体的に話を進めていくのが印象的でした。実行力!

あとは何よりも衝撃的だったのは、三河には「じゃん・だら・りん」という代表的な方言があるのですが(名古屋の人でも分からないレベルで三河ローカルな方言)、Leanで有名なトヨタ三河にありまして、「Jan!Dara!Lean!」でJan開発Dara開発Lean開発があって、Jan開発Dara開発の失敗を踏まえてたどりついたのがLean開発だという話でした(フィクションです)

ネットワーキング・懇親会・スポンサーブース

冒頭にも書きましたが、今回は本当に多くの参加者の方とお話する機会に恵まれて、大変充実した時間を過ごせました。

どちらかというと普段はうまく会話の輪に入れないのですが、これまで色々な会に参加して知り合った方とお話をしたり、そうした方から紹介して頂いたり、自分も知り合いを紹介できたり、スポンサーブースの前で話していたら近くにいた方をパックマンできたり、人と人との繋がりを体感することができてとてもありがたかったです。

こうやって知り合いが増えていくと、また次の会に参加してお会いするのが楽しみになって、コミュニティにもどんどん貢献したくなって、とプラスの循環が生まれて楽しいですね。

というわけで、次のGathering, Festを楽しみに引き続きやっていきたいと思います。

最後に

運営委員のみなさま、スタッフのみなさま、登壇者のみなさま、スポンサーの各社さま、参加者のみなさま、全方位に対して最大限の感謝を伝えたい気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!!