いきいきに繋がる学びのプロセスである自己調整学習の紹介

これはいきいき Advent Calendar 2021 - Adventar22日目の記事です!

いきいきするために個人的に推したい自己調整学習について簡単にご紹介できればと思います。

自己調整学習とは

すごくざっくり言えば、学習のプロセスに対して、学習者が能動的に関わることだと認識しています。

代表的な研究者であるZimmermanによれば自己調整とは「学習者が、メタ認知、動機づけ、行動において、自分自身の学習過程に能動的に関与していること」とされています。

推しポイントは「自律」

自己調整学習の理論について詳しく説明することは本望ではないので、自分の推しポイントを紹介させてください。

自己調整学習について学んでいると「自律」がキーワードだなと感じます。

例えば、動機付けについて有機的統合理論というものを紹介します。 f:id:bonbon0605:20211220201242j:plain

動機づけについて、「内発的」か「外発的」かという比較がされることが多いですが、 ここでは「自律的」か「統制的」かという比較に注目して頂きたいです。

外発的動機づけの一部にも自律的に分類されるものがあって、自己調整学習の観点では自律的な動機づけかどうかが重要視されます。

このように自己調整学習については学んでいると「自律」という言葉が出てくるのですが、この「自律」に注目するのがとても大事だなと感じています。

なぜ「自律」?

自律って自分で自分を律することなので、自分の考えや基準を持つことだと思っています。

別の言い方をすると、他人の物差しではなくて、自分の物差しを持つことだなと思います。

他の人がどれだけすごいことをやっていても、それはそれとして(そこから学ぶことはあるとしても)、

自分にとって何が重要か、何が必要か、ということを考えて、大切にして、自分に合った学習をしていく、という自律の精神は、いきいきすることに重要ではないかと思っています。

上で引用した動機付けの資料を参照してもらうと、自律的でない(統制的な)動機づけは「やらないと叱られる」とか「やらないと恥をかく」というような「やらされている」感じが強いと思います。これでは、いきいきとは言えないでしょう。

逆に、自律的な動機づけは「やりたい」とか「楽しい」といった、いきいきを感じる言葉が並びます。

こうやって見てみると、自律が、いきいきに繋がっていくように感じてもらえるのではないかと思います。

そしてそれができる学習者を育てることを考えている自己調整学習の理論は、いきいきするための理論と言っても良いのではないでしょうか!

もうちょっと詳しく知りたいよ、という方へ

去年のScrum Fest Osakaで自己調整学習について発表した資料がありますので、参考になればと思います。(引用文献も記載していますので、より正確な情報はそちらで)

「自己調整学習」の理論から、よりよい学びのプロセスを考える / Scrum Fest Osaka 2020 - Speaker Deck