実際にクロアゲハを育てる時に役立つ情報を書きます

ブログタイトルにふさわしい記事を書きたい

久しぶりに記事を書いたのをきっかけに、当ブログの管理ページを見ていたところ、ブログを更新出来ていない間も多少なりとも流入があったことが分かりました。Google先生のお力ですね。

その観点で考えると、当ブログの名前は「クロアゲハの育て方」なので、Google検索で「クロアゲハ 育て方」と調べるとやはり1ページ目に出てきてしまうのですが、書いている内容は主にRuby関連になっていますので、そうしたキーワードからの流入に対しては、必要と思われる情報を掲載出来ていないと思います。

一方で、実際にクロアゲハを飼ってはいましたので、1つぐらい本当にクロアゲハを育てるときに役立つ情報も書いてみようと思います。

前置き

注意事項(大事)

特に専門家というわけではなく、クロアゲハを飼ったことがある、という経験だけによる内容になりますので、正確性に欠ける部分があるかもしれません。ただ、飼うときには、情報が見つけられなかったり、色々心配になると思うので、そういう時の参考になれば幸いです。

何故クロアゲハを飼育したのか

元々我が家では(というよりは私の妻が)、ナミアゲハを中心に、「卵を保護し→羽化させて→外に放つ」サイクルをよく行っているのですが、このクロアゲハは羽化した状態ではちゃんと飛ぶことが出来なかったのと、おそらくタイミングとして外が寒くなってしまったことが重なったために、まったく外に飛んで行ってくれなかったため、家で飼育することにしました。

ちなみに、ネットで見ると羽化してから大体2週間ぐらいが寿命みたいなのですが、我が家のクロアゲハは10月頃に羽化してから翌年の3月まで生きていました。

クロアゲハとナミアゲハは飼い方が違うのか

「クロアゲハ」と限定はしていますが、「ナミアゲハ」と違いはあるのか、というのが最初に出てくる疑問かと思います。

種類が違うので、もちろん違いはあるのですが、大きくは違いはないと思います。ただ、青虫のときに食べられる葉っぱに違いがあるなど、注意が必要なところもあります。

具体的な内容

卵が孵るまで

卵は蜜柑や檸檬、柚などの柑橘系の樹木の葉っぱ、特に茎付近に産み付けられていることが多いみたいです。我が家の場合は蜜柑でした。

卵は容器に入れて待っていれば、(2〜3日ぐらい?で)孵るのですが、誰かに食べられてしまったり、孵った後に動いてどこかに行ってしまったりする心配があるので、蓋が不織布になっているケースがお薦めです。

我が家ではこのシリーズを使っています。(サイズが色々あるので、好みのものを)

たくさん飼う場合には、他の幼虫とも一緒にしない方が良いです。

黒虫時代

卵から孵ると黒い3〜4ミリぐらいの幼虫になります。鳥のフンに擬態して身を守っているみたいで、鳥のフンみたいにも見えます。クロアゲハはナミアゲハと違って、ちょっと濡れた感じがするのが特徴です。

この時は、餌としては柑橘類の葉っぱ(我が家は蜜柑でした)を食べるのですが、硬いと食べられないので、新芽など、出来るだけ柔らかいものを与えると良いと思います。

なお、 今後葉っぱを与える時に共通する注意事項なのですが、葉っぱにはヤドリバエなどの寄生昆虫の卵が付いていることがあり、それを食べてしまうと大変な悲劇を招くことになってしまいますので、葉っぱを与える前には、濡れたティッシュやコットンなどで葉っぱを1枚1枚丁寧に拭くようにしましょう。(ヤドリバエに寄生された時の悲劇については、悲しくなるのでここでは割愛します)

この期間に何度も脱皮して、自分の皮を食べつつ、青虫になっていきます。脱皮する前には動きが鈍くなりますが、元気が無くなったわけではないので、心配しないようにしましょう。

青虫時代

青虫になると、だいぶ大きくなって、黒虫のときよりは硬い葉っぱも食べられるようになります。

ただ、食べる量がめちゃくちゃ増えるので、食料の確保が大変です。動く範囲も広がるので、あまり小さい容器だとかわいそうかもしれません。

我が家では、葉っぱ単位で与えるのでなく、葉っぱがたくさんついた枝ごと入れて、枯れないように水を含んだコットンを枝に付けて、それをアルミホイルで巻いて固定していました。葉っぱが増えても、ちゃんと葉っぱを拭くのは怠らないようにしましょう。

ちなみに、この時期は一番触りやすくて、餌をモリモリ食べるところも見れるので、かわいい盛りです。

あとは、食べる分、排泄物も激増するので、清潔な状態を保てるように掃除も行いましょう。

蛹になる直前時期

ある日急に便が水っぽくなるときがあります。これは、蛹になる準備を始めている段階で、体の中の水分を抜いているために起こっているようです。

そうなると、蛹になる場所を探して、かなり動き回るようになります。それをサポートするために、容器の中に、割り箸などで足場を作ってあげると良いでしょう。容器だけでも蛹になったりはするのですが、(思った以上に無茶な場所で蛹になったりします)安定しないで落ちたりしてしまうこともあるので、そういう悲劇を産まないようにちゃんとした足場を作りましょう。

蛹は、最終的には、自力で生み出す糸によって、お尻と頭(肩あたり)が枝と固定された状態になります。容器の中に斜めに割り箸などを立てかけておくと良いでしょう。

なお、蛹になろうとしているときは、非常にデリケートなタイミングなので、 絶対に触ったりはしないようにしましょう。 (少なくとも蛹になって2〜3日経過するまでは触らないようにしましょう)

もし蛹になろうとして落ちてしまった場合には、この時にも基本的には触らず、弾力を持たせたティッシュなど柔らかなところに、出来るだけそっと置いて、あとは蛹になるのを待つようにしてください。実は我が家も蛹になるタイミングで失敗してしまい、この対応を行いました。枝に付けるのは後で出来るので、ちゃんと蛹になるまで4〜5日待ってから、動かすようにしましょう。

ちゃんと蛹になったら、枝に付けてあげます。蛹を横にして、最終的なポーズを意識する感じで、木工用ボンド(瞬間接着剤などはNG)で枝に付けてあげます。貼り付けてすぐに持ち上げても重力に負けてしまうので、しばらくは横にしておいて、しっかり固定されるのを待ちましょう。この時、蛹のお腹側には呼吸用に穴がいくつか空いているので、それを塞がないように貼り付けることが大事です。

蛹時代

蛹になって、ちゃんとポーズがとれたら、あとは羽化を待つのみです。ちなみに、クロアゲハはナミアゲハよりは蛹の期間が長いです。

幼虫時代にヤドリバエに寄生されていると、蛹時代にやられてしまうので、無事に羽化するかはかなりドキドキしながら待つことになります。(この時にちゃんと自信を持てるように、幼虫時代にはしっかり葉っぱを拭いておきましょう!!)

羽化するのは、日の光に合わせて朝が多いみたいですが、我が家は部屋で飼育していたので、夜中に羽化しました。

蝶になってから

羽化を世話するのも自然の摂理から考えればあまり良くないかもしれませんが、我が家の場合には基本的には蝶になったら、外に飛び立ってもらってます。(このタイミングを面倒を見る分岐点にしています)

なので、この後はあまり説明するべきではないかもしれませんが、飼育する必要が発生した場合の参考情報として記載していきます。

餌は、ポカリを水で1:1ぐらいに薄めたものをコットンに付けて与えていました。コットンの上に乗せると飲んでくれることがあります。平和に飲んでくれれば、それが一番なのですが、飲んでくれないことも多々あるので、その時には、爪楊枝などで、口を伸ばしてあげて、コットンにつけると最終的には飲んでくれます。飲んでくれるまでは結構時間がかかるので、餌を与えるのは大変です。

餌を与えた後は、完全に我が家の場合はですが、軽く運動して、排泄をさせていました。ちゃんと飛べないまでも多少は飛ぶことが出来たので、羽をバタバタさせる感じです。照明とか制御出来ないところに行かないように注意が必要かと思います。

飼育ケースは、段ボールを改造して、多少広さのあるスペースを作っていました。(天井がネットになっている箱を作りました)

あとは、明るいと羽を動かし続けてしまい羽を痛めたりしてしまうので、暗いところに連れていくと大人しくなってくれます。(この辺りは室内だと制御出来てしまうことが、逆にかわいそうな気持ちにもなるので、やはり自然で暮らす方が良いなと思います)

最後に飼育しようと思っている方へ

生き物を飼うこと全般の話かとは思いますが、蝶を飼うことは結構大変です。ある程度羽化を経験していても、何が起きているか分からなかったり、羽化させてあげられないこともしばしばあります。それなりの覚悟を持って飼育を始めて頂ければと思います。