アジャイルコーチとスクラムマスターの宴に参加しました
アジャイルコーチとスクラムマスターの宴 #yycr2019 に参加してきました。 参加するまであまり詳細は分かっていなかったのですが、何となく楽しそうだなと思って参加してみたところ、想像をはるかに超える楽しさでした。
会の概要
ハッシュタグのyycr
は、よなよなCoaching Retreats
の略だと思っているのですが、よなよな
はよなよなだとして、Coaching Retreats
というのは、あまりよく分かっていなくて、ググった範囲では、Scrum Alliance Agile Coaching Retreatsという内容を見つけました。
つまり、アジャイルコーチやスクラムマスターをしている人たちが集まって、お互いに知見を深めたり広げたりする場ということかなと思ってます。また、普段の仕事を黙々と続けることで、消耗したり変に偏った仕事にならないように、職場を離れて、自分のやり方を見つめ直したり、見直したりするのにも良い機会なのかなと思います。
このように書くと大変堅苦しくなってしまいますが、Colony箱根という最高の場所を2泊3日貸し切って、今ここにミサイルが落ちたら日本のアジャイル界隈に大打撃だなと思うような方々と、美味しい食べ物、飲み物を嗜みながら、昼夜を問わず、世界情勢からこんまりまで(何から何までなのかよく分からないですが)色んな話を楽しくできる、我が世の春のようなイベントでした。
一応、全体としては、OST(オープンスペーステクノロジー)の形で進められていまして、事前に決められたテーマや座学などは無く、2.5Hぐらいのタイムボックスと何箇所か用意された場所を利用して、各自テーマを持ち寄って議論をする形でした。ただ、途中で抜けたり、途中で参加したり、新しい議論を立ち上げたり、など参加の仕方は自由なので、特に枠にとらわれず、みなさんやりたいことをやっていたという印象です。そういう場をうまく利用する姿勢もさすがだなと思います。
印象に残っていること・思ったこと
参加した中で印象に残っていることを徒然と書いていきます。あまり詳しく書くと大変なので、メモ程度に。(書いてはいけないことは書いていないつもりですが、まずい内容がありましたら修正しますのでご指摘ください)
アジャイルコーチってどういうことをしているのか、という話
- 自分は自チームのScrum導入などはあっても、外部に人という立場で実践したことがないので、関わり方が興味深かった。
- 平均すれば6ヶ月ぐらいで現場を離れることが多いらしい。自分はその期間で成果を出せる自信が全くない。が、やってみたい。
- 具体的な助言をすること(またはそのタイミング)に気をつけている人が多くいた。自分で気付いてもらうことの大事さとか、それをやった結果の責任がとれないみたいな意味でのリスクとか色んな観点がありそうだが、自分は(気をつけてはいるが)普段そこまで深く考えないで行動しているかも。
- コーチするのにやりやすいチームとやりにくいチームみたいなのはあるはず。やりにくいコーチをするのに高い山を登るようなやりがいを感じるのか、やりやすいチームで成果を出すことにやりがいを感じるのか、自分の中で悶々と考えていたが、軽く聞いたところ、自分がかけられる労力とのバランスみたいな話がもらえて、それはそうかという気持ちに。
- でも、依頼する人自体に変わる気がなければ仕事は受けないという話があって、さすがにそこは大事ですね。野球やりたくない人に野球を教えても仕方がないなと思います。
世界情勢の話
- 中国は国家規模で戦略を持っていて、それに希望を持ってみんな動いている(らしい)。日本もエンジニア界隈から政治家になる人がいた方が良いんじゃないか。ドキュメントはGit管理して、差分見やすくした方が良い。みたいな話を。こうやって話をしていると、大きなビジョンも戦略もなく、目の前のバグを潰すことにしか投資していない会社みたいに思えてきて、それに対して、自分は何ができるのだろうか、と。
- 日本は少し前はすごく強くて、今は弱くなってきていて、それがすごく強い時代の成功体験に縛られたり、成功したから失敗が怖くなるというような考え方の変化によるもの、みたいなことがあるとして(仮に)、そういう盛衰の流れとその裏にある力学を、システム思考的に整理できたら楽しそうだなと漠然と考えていました。
スクラムマスターの評価を考えるという話
- ちょっと参加しただけだが、チームの置かれている状態を評価する評価軸を決めていく話は大変興味深かった。
- 今何が強いのか、これから何を強化するべきなのか、などは、個々の状況に依存する話だと思うが、それが分かりやすい状態は、色々気づきが出てきそう。
ヨガを通じてアジャイルを考えるという話
- ヨガは自分と向き合うもの。マインドフルネスでも似た話があった。メタ認知に興味がある自分としては、自分と向き合う的な話は今後色々と調べていきたい。
- 驚くぐらいに体が暖かくなった。
- ヨガとても楽しかったので、ちゃんと習ってみたいなぁ。
新しいスクラムの研修を考えたいという話
- 今やっている研修で意識しているポイントなどがぽろぽろ聞けたのはおもしろかった。
- 参加者によって効果は変わりそうだし、経験と改善の積み重ねが重要なんだろうなと想像。
- 漠然とした話に終わらず、時間内で内容が決まり、研修中にブログ作成、研修のテスト実施まで出来ていたのは、さすがすぎて感動的だった。
- メンバーの練度が高いとこんなにも動きやすくて成果も出やすいのだなという当たり前といえば当たり前のことに気付く。
その他
- アジャイルの広がりのきっかけにRailsやクラウドがあったのではないか、という話。早く作れるアーキテクチャができてより一層アジリティが重要になったのではというような内容。特定の企業が広めたとかではなくて、技術によって広まったという視点が新鮮だった。
- 黄金体験。サービス精神溢れている人はサービス精神を止められない。
- 何度お風呂に行っても、2〜3人としか同じタイミングで遭遇しなかった(20〜30人いるはずなのに)。こういうところでも、それぞれ考えて動いているのを感じる。
- 洞察の話。自分がいかに頭がかたいのかよく分かって良い経験になった。
- 信頼の構造の話を興味深く聞いてもらえた。(普段はあまり興味を持たれない)
- 文化人類学の話。自分は全然付いていけなかったが、とてもおもしろそうな内容でこれから学んでいきたい。まずは菊と刀から。
- こんまりはアジャイル。
- 蟻が蟻塚を作ることを考えると、人間は仕事を複雑にしすぎている。
最後に
とても有意義な会を開催頂いたアトラクタのみなさまありがとうございました。また、今回色々な方と知り合えたことが何よりも良かったことかなと思っております。参加者のみなさまありがとうございました。