Scrum Fest Mikawa 2020 @onlineに参加しました #scrummikawa

www.scrumfestmikawa.org

三河豊橋)で行われたスクラムフェス三河に参加しました。こういう類の会は何度か参加させて頂いていますが、初めて実行委員?スタッフ?としてに参加させて頂きました。でも、実行委員のこととかはいったん置いておいて、純粋に参加者としての感想を書きます。

スクラムフェス三河について簡単に説明すると、参加者は基本オンラインでの参加になりますが、実際に三河の会場をお借りして、登壇者とスタッフはその場に集まり、三河の会場には本格的な撮影スタッフの方が中継するZoomトラックが1つと、通常の画面共有でのZoomトラックが2つ、計3トラックで行われました。発表以外のコミュニケーションにはDiscordを利用しました。

Day1 基調講演

及部さんの基調講演。「スクラムと向き合ってみよう」というお話。自分の解釈としては、それぞれの人がそれぞれのストーリーをもっていて、いろいろな実験・試行錯誤をやっているんだから、カンファレンスでそれぞれの実験の話をしよう、自慢し合おう、という内容だと捉えました。

この「ストーリーを語る」ということは、実は、この基調講演以前から、自分がちょっと腹落ちできていなかった部分でした。どういうことかというと、カンファレンスでそれぞれの体験談を聞くのはおもしろいのだけれど、じゃあそれが自分を含めて他の人に役立つ内容になるのかというと、近い経験とか悩みをもっていれば参考になるのかもしれないけれど、そうでなければただおもしろいだけで終わってしまうのではないか、みたいなことでした。

これは、自分は普段、学習科学など、理論を学ぶことが好きなので、そういう観点からの影響もあるのかもしれません。具体的な話は分かりやすいけれど、応用がしにくいという印象を持っています。(逆に理論的な話はいろいろな場面で使えるけれど、自分の具体的な経験と結びつかないと理解できない。)

しかし、スクフェス大阪の基調講演での永瀬さんも、「プロセスの話なんかしていないで、実験の話をしよう」(雑な解釈)というようなことを話されていたし、なぜスクラムフェスでストーリーを語るのが重要なのかよくわかっていない自分は、何か見落としている(勘違いしている)のかなというような感覚でいました。

ちなみに、いろいろな人のストーリーを聞くのが嫌とか、つまらない、みたいなことは全くなくて、むしろ大好きです。

なので、及部さんの基調講演を聞いて、やっぱりそれが大事なのかー、なんでだろうなー、という気持ちでいました。

Day2

2日目は実行委員の割り振りでZoomトラック1の担当になっていたので、Zoomトラック1のすべてのセッションを拝見しました。

印象的だったのは、今回この三河で発表するのが初めてだ、とおっしゃっている方がたくさんいらっしゃったことです。なぜ三河で発表なのかとというと、(全員がそうではないかもしれないですが、)そんなに人も多くなさそうだし、ハードルが低いと感じた、という意見がありました。これは開催に関わった者としてとても嬉しく感じました。この会があったからこそ、この人の話が聞ける!

あとは、トリを務めてもらった、さいとうさんの話。さいとうさんが発表しているのを聞くのは今回が初めてだったかもしれないですが、腹を抱えて笑いました。よく出来た落語ってこういう感じなのかなというぐらい(落語全然知らないですが)、さいとうさんの失敗談の話で、落ちが読めているのに落ちでめちゃくちゃ笑ってしまいました。この時に思ったのは、さいとうさんとはここ1年ぐらい色々と話をする機会があって、親しみがあるのですが、そのさいとうさんの話だからこそ、この話がこれだけおもしろいんだなあということです。全くさいとうさんを知らない状態でもある程度はおもしろかったと思いますが、さいとうさんを知っているからこそ、おもしろい、言ってみれば内輪のおもしろさがありました。

ちょっと話は変わりますが、普段参加している教育心理学関連の勉強会で今、正統的周辺参加、という内容を扱っています。

状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加

状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加

  • 発売日: 1993/11/01
  • メディア: 単行本

これまで扱ってきた中で一番じゃないかというぐらい内容が難しくて、正直全然まだ内容を吸収できてはいないのですが、1つ分かったポイントとして、「実践」と「学習」というものを考えるときに、「学習の中に実践がある(学習の方法の1つに実践がある)」と考えるか「実践の中に学習がある(実践することによってのみ学びがある)」と考えるか、という話があります。 正統的周辺参加では、後者だと主張されています。ここで、もしかしたら正しい解釈から外れてしまうかもしれませんが、Day1のところで触れた、なんでストーリーが大事なの?をあてはめると、「学習の方法として実践(ストーリー)が良いものなの?」ではなくて「実践(ストーリー)の中に学習がある」と考えるべきなのかもしれません。

正統的周辺参加のちゃんとした説明ができなくて申し訳ありませんが、つまりは、コミュニティというのは、別に何かを学ぶとかが第一義なのではなくて、実践する仲間を作る(参加する)のが第一義なのではないか、と感じたのです。例えば、学ぶことが第一義なのであれば、正直「〇〇やってみました」みたいな話は、新規性がなければ不要なのかもしれません。聞いたことのない理論とか新しい取り組みをしている人だけが話せば良いのかもしれません。でも実践する仲間を作るのが第一義なのであれば、知っている人の話は、あの人の話がもっと聞きたい、となるし、知らない人の話だったら、どんなことをやっている人なんだろう、と興味がわきます。普段いろんなところで頑張っている仲間が集まって、自分のやった成果を自慢し合う、話しても楽しいし、聞いても楽しい、気付いたこととか話して刺激をもらってさらに楽しい、それがフェスってことなのかな、と感じました。もしかしたらすごく当たり前のことを言っているだけなのかもしれないですが、一周回ってその当たり前が腑に落ちました。

そう考えると、何となく登壇する人ってすごい話をしないといけないような気がするんですが、別にすごくなくても失敗で終わっても、自分はこんなことをやったよ、っていう生活発表会をすれば良いのかな、と思いましたし、東京だけでやるのではなくて、各地方でやって、各地方ごとでハードルを低く感じたりしながら、発表できる人がどんどん増えることっていうのは素晴らしいことだなと感じるようになりました。それできっと、その中にコミュニティとしての学びも生まれていくのだろうと思います。

というわけで、いろいろな気付きもあり、個人的には大変貴重な経験をさせて頂きました。少し残念だったのは、オンラインだと懇親会に参加してもらえる人もあまり多くなくて、こういうカンファレンスでは参加者同士で話すのがとても有意義だと思うので、話せる人が少なかったなと思いました。それでも懇親会で楽しい話もできましたし、話したことのなかった方とも話せたので良い機会であったことは間違いないです。

今回リアルタイムで見れなかったセッションは録画で見れるはずなので、それも楽しみにしています。

本当に無事に終わってよかったです。みなさま、ありがとうございました&おつかれさまでした!!