スクラムパターンのトレーニングを受けた後のまとめ

アギレルゴコンサルティングさんが開催されたジェームズ・コプリエン氏と原田騎郎氏によるスクラムパターンコースのトレーニングを受けました。大変学びの多い内容でしたので、今の気持ちをできるだけ書き記しておきたいと思います。

サイゼは近くになかったので、自宅で作業しています。

参加する前の状態

  • 組織パターンを読むものの、あまり内容が入ってこない
  • 騎郎さんからのA SCRUM BOOKの話をXP祭りなどいくつかの機会で聞いて、興味はあるものの内容は未着手
  • 自分が学習している別の内容(認知科学的なもの)を他の人が使えるものにするためにパターンとか良いのではという漠然とした期待を持つ
  • Copeさんは結構激しめの理論を持っている人というイメージ。あと、Do you have sake?の人。
  • RSGTの牛のやつも、現状を踏まえて改善していくという点では全く異論はないものの、あまりちゃんと分かっていないのではないという気持ち

とりあえず、トレーニングの前にテンションを上げるためにも組織パターンの最初を読み直して、パターンとパターン・ランゲージの何が違うのかその時のダンプを残しておいて、トレーニング後にDIFFを取ろうと企みました。

パターンとは

以下、手元のメモから。ちょっと現実とは順番が異なる部分があると思います。

  • パターンは自然の中にあるもの
  • パターンは自分で作れるもの(見つけるもの?)
  • 例えば、Daily Scrumはパターン

色々なコンテキストがあってパターンがあると思うが、どのくらいの大きさからパターンになるのか、という質問をする

  • パターンの中で大きいものとしては、宇宙がある
  • そこから少しずつ小さくなって、盈進学園とかの話が出る(アレグザンダーがデザインしたらしい)
  • 物理的な自分のからだよりは大きくなる、みたいなことを言っていたはず(ちょっと曖昧)

ここから、対称性の話になる

  • パターンは自然から発生する
  • 自然は非対称(自発的対称性の破れ
  • 人間の受精卵が最初に細胞分裂したときは対象だが、人間の形をする頃には非対称になっている
  • 対称性は自然を壊す
  • パターンは自然の形を捉える
  • 生き物がどうなろうとするのか。常に何かになっている途中。

なぜ、対称性が生まれるのか、という質問が出る

  • コントロールしやすいから
  • パワーを持ちたいから
  • コントロールすることで、自然のものを壊す
  • パターンは修繕。何かを交換して直すわけではない。

何かをコントロールしようとすることで、自然のものが壊れる、という話が印象深かったです。 そうではなくて、パターンを使うと、自然の良い方向に流れていく。何かに仕向けるのではなくて、自然と良い形に流れていく。 ついつい、何かをコントロールしたくなってしまうので、自戒の念が強いです。

そして無名の質の話へ

まだちゃんとよく分かっていないかもしれないですが、パターンを使う中で得られるなんとも言えない良さが無名の質? 自分だけではなくて、コミュニティ共通でという話かもしれないですが。

  • そこにいる人の手で設計されていることが大事
  • 定期的に修繕されている必要がある

レーニング中は分かった気になったんですが、まだうまく説明できないのでアレグザンダーの本読みます。

ForceではなくHarmony

  • 例えば相手が殴りかかって来た場合に、殴り返すのではなくて、合気道のように相手の動きに合わせてその力を受け流す
  • 対抗するプロセスはパターンではない
  • 強い風を防ぐ壁を立てて、その壁を分厚くすることがパターンではない(風に対抗している)。風を流す土手を作るのがパターン。

パターンの良い悪いは何をもって判断するのか、という質問をした

自分は認知科学とかに興味があって、人の認知はどんどん変わると思っているので、良い悪いの場合によって変わりそうだと思ったため。 あるパターンがあっても、人の変化によってパターンではなくなるとかあるのかなと思って質問してみた。

  • あなたが良いと思うものを選ぶ
  • 美しいと思うものを選ぶ
  • あなたはコードを見て美しいと思うことがありますか、それがどうしてか説明できますか?
  • 実は、美しさの判断はみんな共通している(人によって違うものではない)
  • パターンの解決が違うと感じるときに、本に従う必要はない。自分のお腹に聞く。

あまりうまく言語化はできないですが、自然の中にある本質的な美しさ、みたいなものは、人によって差があるわけではなく、 良い悪いの判断基準が何というよりは、それを見つけることに集中した方が良いのかなという印象を持ちました。

普段、人の認知の枠組みは人によって違う、みたいなことばかり考えていたので、人の奥底に共通もの価値観がある、みたいな話は新鮮でした。

コードの美しさについて論文を紹介して頂く

前述の質問がきっかけとなって、休憩時間に他の参加者の方からThe Nature of Orderという論文を教えて頂く。ここでは、コードの美しさが15の幾何学的特性から説明されていて、自分がCopeに聞かれた質問にそんな答えがあるのかと、まだ知らない世界への興味・関心に心が震えました。

そして、Copeにこんなのがあるよと見せていたら、この論文が参照している論文、自分が書いたやつだよ、と言って喜んでいて、それにもまたびっくり、という展開に。

その他

パターンが生まれた歴史や、PLOPの歴史のような内容を説明してもらいました。野中先生の本も登場。

この辺り、重要な本が全然読めていない自覚があるので、本当にどうにかしていきたい。

パターンの書き方

スクラムパターンを書いてみるちょっとしたグループワークをやりました。

困っていることとか課題みたいなものを書いて、「なので○○というパターンが有効」というようなところまでを書くという内容です。

他のグループはオリジナルな感じのパターンを出していましたが、自分のところは良いものが思いつかずだったので、パターン「スプリントバックログ」を先に決めて、それの前提になる課題や問題を上げることで、なぜそのパターンを使うのかを考える、みたいなことをやりました。

これが個人的には思いの外よくて、例えばスクラムのイベントとかをなぜやるのか、みたいなところで目的を確認する・理解する、良い機会になりそうだなと感じました。機会があったら会社でもやってみようかなと思いました。

パターンの書き方自体はもう少し他にも書くことがあるようですが、ひとまず体験は簡易版で終了。本当に書きたい場合には、色々サポートしてもらえるそうです。

パターン・ランゲージ

パターンの関係

  • あるパターンの代替
  • あるパターンの精錬

のどちらか

シーケンス

例えば、3つのシーケンスがあるとする

A->B->D->C
A->B->C->D->F
A->E->F

  • 順序性が大事
  • それぞれのシーケンスがひとつの全体を構成する
  • パターンは1つずつ適応される
  • どのシーケンスでやるかは自分で決める
  • パターンを繋げていく文法がパターン・ランゲージ
  • パターン・ランゲージが全体を作る

あるパターンを使おうと思うと、それが前提としている状態があって、その状態になるためには別のパターンを使っている必要がある。なので順番性が大事で、上の例でいうなら、いきなりBのパターンに行くのではなくて、まずAのパターンをやってから、Bに行くイメージ。

ジェフサザーランドが最初にスクラムを始めたときに、どういう順番でパターンを適応していったのかを考えている動画を観た。意外と覚えているものらしい。

A SCRUM BOOKのパターン・ランゲージを見てみる

Product Organizationのパターン・ランゲージとValue Streamのパターン・ランゲージがあり、細かく色々なパターンとその依存関係が記載されている。

これのパターンを順番に見ていくと、自分のチームでやれているもの、やれていないものがあり、やれていないものがすなわち自分のNEXTチャレンジとなる。

自分の場合には最初のパターンが「The Mist」これはあまり深く考えなくて良いものらしく次に進むと「Vision」。正直「Vision」があまりはっきり分かっていないという課題を感じていて、早速ここでストップしてしまった。つまり、次は「Vision」のパターンを実行するべき、となる。

これは非常に実践的であるな、と感じました。パターン・ランゲージは、チームの成長のロードマップのようなものになっていて、次に何をやれば良いのか明確になります。どうやってパターン・ランゲージに納得してもらうか、という課題はある気がしますが、スクラムガイドを読んで一気にスクラムを始めたりするよりは、着実に1歩ずつ成長していけそうなイメージが持てます。そして、理屈上パターンを飛ばしていくと意味がないというか、うまくいかなくなりそう、というイメージも持てます。例えば、「Vision」がないのに次に行くと、次は「Product Roadmap」。ろくなRoadmapはできなさそうですし、その次は複数の候補がありますが、例えば「Sprint」。回しても意味がないSprintになることが容易に想像でき、いかに自分が向き合うべき問題に向き合えていないかがはっきりして、ワクワクと胃のキリキリが止まりません。

パターン・ランゲージはチーム全体で確認するものですか、という質問をした

チームで確認して、チームで何をやるのかを決めてください、と言われました。そうだろうなと思っていましたが、その答えで安心しました。自分の上司にも見せて、他のチームも含めて確認していけたら良いなぁ。

レーニングを受けた後

レーニングを受ける前の

を改めて見ると、まあ大きく間違えているわけではない気はしますが、パターンをツールみたいなものとして捉えているような印象を受けます。何かに対抗したり、何かを操作するようなものではなくて、私たちが自然とやっていることで、自然とよくなっていくもの。流れ。

パターンは門という話もありました。自分を知るための入り口。Scrumもパターン。

思ったよりうまく言語化できなかったですが、感覚として分かる部分はあって、パターンのおもしろさを実感できました。これからもっと深堀りしていきたいなと思います。

そして、自分もパターンを見つけていきたい!

#RSGT2020 Regional Scrum Gathering Tokyo 2020  に参加した後の気持ちのダンプ

Regional Scrum Gathering Tokyo 2020に参加してきましたので、今考えていることをできるだけ残せるように書き連ねていきます。

総括

本当に刺激的で楽しい時間でした。個人的にテンションが上がりにくくなっているのが最近の課題だったのですが、最終日の帰りに散歩しながら自分たちのNextActionを話し合っていたら、御茶ノ水から高田馬場まで歩いてしまったぐらいには、テンションが上がりました。

セッションももちろん素晴らしかったのですが、参加者同士で色々な話をするのが本当に楽しくて、なので、最終日のOST最高だなという気持ちでした。

そして、なぜそんなに楽しいんだろうかと考えていると、クロージングキーノートで会社を越えた仲間とかコミュニティだとかの話が出て、あーそうですよねそれですよね、となった後にとどめの「We are not alone」で締められて、本当に最高の体験でした。

クロージングキーノートの間にかなりの時間を取ってコミュニティ紹介をしていたのも印象的で、自分もかつてなんとなく参加したカンファレンスで紹介されたコミュニティに行ったことで人生大きく変わった経験があるので(もちろん現在進行形でコミュニティには大変お世話になっているのですが)、こういう紹介を通じてコミュニティに行って仲間を見つけられる人が増えたら良いなと感動していました。全然自分は貢献できなかったのですが、参加しているだけでも知っているコミュニティをちゃんと紹介して下さる方や、「四国はないんですか?」という質問から、単なるコミュニティの宣伝ではなくて(それでも全然良いんですが)、1人1人に対してコミュニティを見つけていく大事さをみんなで伝えている感じがして、本当に胸熱でした。尊敬、感謝。

自分のNextActionとしては、自分が趣味で学んでいる認知科学とか学習科学関連の内容を参考に、チーム・個人の学習を支援するようなアウトプットをしていきたいなと考えていて、RSGT期間中にSCRUM FEST Osaka 2020にProposalを出したりもしたのですが、勉強会や発表からのFBなどを通じて、よりよい伝え方を模索していきたいなと考えています。

セッションなど個別の感想

発表資料はこちらにリンクが加えられるというお話だったので、個別の参照は省略します。

見積りしないスクラム / NoEstimates Scrum

昨年夏のAgile2019でご一緒して以来マブダチさせて頂いている陶山さんの発表で、友人バイアスを考慮しても、すごく聞きたい内容で楽しみにしていました。NoEstimatesは以前から聞いていて何か読んだりもしたと思うのですが、全然ちゃんと腹落ちできていなくて、具体的な事例を聞いて大事な部分を把握したいというのが個人的な期待値でした。

実際に発表を拝見したところ、「見積もりしない」の言葉にはインパクトがありますが、着実に具体的な課題と向きあって解決していった事例のお話で、発表内容でも触れられていましたが、見積もりの仕方だけですべてが解決したわけでもなく、「つらい見積もりをやめた話」ぐらいのニュアンスなのかなという印象を持ちました。向き合った課題としては本当にあるあるの内容かと思いますし、自分を含めて多くの方の参考になる考えだと思います。必読。

あと、陶山さんはいつも(Agile2019でのLT前を除いて)本当に楽しそうな表情をされているのが印象的で、見ているこちらも楽しくなる力があると思っていて、自分も見習っていきたいなと常々感じています。

テックリードは未来の話をしよう (Tech Lead in Scrum)

椎葉さんのお話は、現実と向き合ってどうにか良い方法を考えていくという点で、いつもとても勇気がもらえるのですが、今回もさすがの内容で、発表中頷きすぎて首を痛めました。

Scrumは自己組織化チームを前提にしているけど、そこに至れていないチームもあって、それを補う(そういうチームになっていくこと支援する)ための役割としてテックリードがあって、というロジックには納得感がありつつ、それって経験者のいない Scrumチームがチーム外のCoachを呼ぶのと似たような形の、スペシャリストがチームの学習・成長を支援するパターンと捉えたりもできるかなとか考えていたら、ちょうど「テックリードはチームの中ですか、外ですか」という質問をして下さった方がいて、椎葉さんの回答は「中」でしたが、具体的には完全にチームに入っているわけではないということで(「中とは」「外とは」の定義問題的な話になりそうなので)、なんとなく分かった気になりました。

あとは、「Scrumは自己組織化チームを前提にしているけど、そこに至れていないチーム」において、テックリードと呼べる人がいないケースもあると思っていて、チームとして不足している知識を学習していく場合と、どこかからテックリード(もしくは他のなにか)を連れてくる場合とがあるかなと思うのですが、どちらもそれなりにつらい気がして、「Scrumは自己組織化チームを前提にしているけど、そこに至れていないチーム」はどうやって未来の話をしたら良いのかなとか考えていました。どこかに良いパターンはありそうですが。

大企業の縦割り組織の中でProduct Discovery Teamを作ってサービスをリリース出来た話

こちらも事前にとても聞きたいと思っていた話で、自分もまさにこうした内容に悩んでいるので、参考にさせて頂きたく拝見しました。

内容は本当に素晴らしくて、奮闘の具体的な手続きももちろん素晴らしいのですが、大事なことを一言で表してしまうと「愛」で、Whyからはじめるというか、ScrumをやりたくてScrumをやっているわけではなくて、「この人に良いものを届けられるなら何でもしますよ」的なスタートからの試行錯誤、ものづくりの原点のようなお話が聞けて、自分の気持を新たにすることができました。

OST

すみません、タイトルはこんな感じの内容というもので、正確なものではないです

共感トランプをやってみる

近頃とても仲良くして頂いているSaitoさんが持ってきた共感トランプをやってみましょうという時間。Saitoさんは最近非常に熱心にNVCを学ばれていて、その中のアクティビティとして共感トランプがあるという認識なのですが、思った以上に良くて自分も欲しくなりました。

詳しい内容の説明をここでするのは諦めますが、印象的だったのはこのトランプは相手の気持ちに共感するためのものではない、自分の気持ちに気づくためのものだということが強調されていたことです。なので自分1人で使うこともできるし、自分だけでは気付かないこともあるので、他人に協力してもらってこういう気持ちなのではないかという提案を受けることもできる、というような内容でした。

私は認知科学とかに興味あって、学習を支援するものとしてメタ認知の考えはとても良いと思っているのですが、理論を学ぶことと、実際に理解して使えるようになることの間には大きな壁があると思っていて、こういうアクティビティを通じて体験を促せることは有用そうだなという感想を持ちました。NVCメタ認知には共通する部分も多く、NVCも勉強中なのですが、色々な人がうまく取り入れられるような何かを提供できないかなということに強い興味を持っています。

FeedBackがなぜ大事なのかエレベータピッチを作る

katzchangさんが今New Relicにお勤めということで、FBを提供するツールを売るためにFBの重要性を1分で伝えるためのエレベータピッチを作ろうというテーマでした。

この時間でおもしろかったのは、自然とkatzchangさんがPOで参加者が開発チームというような役割ができて、OST期間中に2スプリント実施して、どんどんピッチが良くなっていることが体験できたということです。

katzchangさんが最初に目的とかピッチが欲しい理由とかを明確に伝えてくれた後は綿密な計画を立てたわけでもなく、やりながら色々考えて、途中でリファインメントも発生してバックログのプライオリティを変えたりして、一度とりあえずピッチを作ってちょっと気になるところに新しくフォーカスして案だしして、最後には満足感のあるピッチができて、とスピーディに変化していく流れがとても勉強になりました。

三河スクラムフェスを作る

愛知県三河出身ということで行かないわけにはいかないなと思い参戦しました。

ちょっと三河のローカルネタに走りすぎてしまった反省もありますが、川口さんAkiさんNemotoさんといった実際にフェスを作っていらっしゃる方がどんどん具体的に話を進めていくのが印象的でした。実行力!

あとは何よりも衝撃的だったのは、三河には「じゃん・だら・りん」という代表的な方言があるのですが(名古屋の人でも分からないレベルで三河ローカルな方言)、Leanで有名なトヨタ三河にありまして、「Jan!Dara!Lean!」でJan開発Dara開発Lean開発があって、Jan開発Dara開発の失敗を踏まえてたどりついたのがLean開発だという話でした(フィクションです)

ネットワーキング・懇親会・スポンサーブース

冒頭にも書きましたが、今回は本当に多くの参加者の方とお話する機会に恵まれて、大変充実した時間を過ごせました。

どちらかというと普段はうまく会話の輪に入れないのですが、これまで色々な会に参加して知り合った方とお話をしたり、そうした方から紹介して頂いたり、自分も知り合いを紹介できたり、スポンサーブースの前で話していたら近くにいた方をパックマンできたり、人と人との繋がりを体感することができてとてもありがたかったです。

こうやって知り合いが増えていくと、また次の会に参加してお会いするのが楽しみになって、コミュニティにもどんどん貢献したくなって、とプラスの循環が生まれて楽しいですね。

というわけで、次のGathering, Festを楽しみに引き続きやっていきたいと思います。

最後に

運営委員のみなさま、スタッフのみなさま、登壇者のみなさま、スポンサーの各社さま、参加者のみなさま、全方位に対して最大限の感謝を伝えたい気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!!

2019年に実施した1on1のふりかえり

この記事は、1on1 Advent Calendar 2019の8日目の記事となります。

ふりかえりのやり方

1on1をやるときに、Box Notesというドキュメント共有ツールを使って、自分と相手で話すこと・話したことの内容を記録をしているので、ざっと内容を読み返して、今年実施した1on1についての所感を記載していこうという考えです。

自分が開催しているグループメンバーとの1on1とか、自分の上司と実施している1on1とか、たまに実施する少し離れた人との1on1とか、対象・内容が色々あるのですが、今回は、自分が開催しているグループメンバーとの1on1を対象に実施。

(相手もあるので)あまり具体的な内容に触れるつもりはありませんが、今回対象にした人数は4名、言語は日本語、頻度は隔週(予定が合わず間隔が空くときもありましたが)、1人あたり大体20回ぐらい実施しました。ちなみに、自分の会社内での役割の変更によって1on1を始めることになって、今年の1月末ぐらいから開始したので、去年は実施していません。

所感

思った以上に最初から今と同じことを話している

一番驚いたのは、読み返してみると、「あれ、これこの前の1on1のログだっけ?」というぐらい同じような話を最初からしていた、ということです。体感としては、「定期的にコミュニケーションを取って、どんどん改善しているぜ(どやあ)」ぐらいに思っていたんですが、そうでもなかったのかもしれません。

もちろん、成長を感じる部分とか、具体的によくなっているところとかもたくさんあるので、「無駄でした」という意味ではないのですが、重要なところにちゃんとフォーカスできていないのかもしれないな、という感想を持ちました。

具体化と抽象化両方の話を自分がよくしている

目標設定とかこれからやることに対しては、できるだけより具体的なイメージを持った方がやりやすいのでは、という話をよくしていて、一方で、課題とか問題解決に関しては、それ自体にこだわるよりも少し抽象化した捉え方をした方が学びになるのでは、みたいな話をよくしていることに気づきました。

この話自体そんなに変な話はしていないかなと思っていますが、仮に「具体化が大事」「抽象化が大事」とか方法論的な形で捉えられているとすると混乱を招くかもしれないので、これから説明するときは気をつけよう、とか、実際複雑な話になっていないか今度聞いてみようかな、という類の所感でした。

ささいな話が大事なのかもしれない

たとえば、目標設定にしている内容とか「半期でこれ」みたいな話は、人数がそれほど多くないこともあって、だいたい覚えているのですが、「○○ってどうなっているんですかね?」みたいな、ちょっとした質問・疑問は、そういえばそんな話したかなぁ、ぐらいであまり明確に記憶には残っておらず、恐らく自分の中であまり重要な内容だと捉えていないのだろうなと感じました。

ただ、ささいなことほど意外と聞きづらくて(聞く機会がなくて)、でも、当人にとっては気になってもやもやしてしまう内容だったりする、ということもあると思いますので、1on1で聞く場があるのは便利なのかな、という感想を持ちました。

来年からの1on1をどうしていくか

もともと自分は1on1は便利だけど、1on1に頼るのはあまり健全ではないのでは、という考えを持っています。それは、1on1という閉じられた会話で考えたり学んだりするよりも、もっとチームで考えたり学んだりする方が望ましいんじゃないかなぁというのが主な理由なのですが、一方で、「それはそれ、これはこれ」で良いのかな、という気持ちも最近は芽生えつつあります。

たとえるなら、野球やサッカーがチームプレイだとして、チームでのノックやセットプレーの練習だけが重要なのではなく、個人の素振りとかシュート練習もまた重要で、単に素振りをするよりも、自分を客観的に見て、助言して、素振りによる上達の効率を上げてくれる人がいたら、それはそれで良さそう、という感じです。素振りも、友だち同士で見せあって教え合うことも良いことだと思いますが、「それはそれ、これはこれ」で良いものかなと。

そうなるとメンター側として一番怖いのは、自分の変な助言によって、変なフォームを覚えさせてしまうことで、それを防ぐには、メンター側がちゃんとしたセオリーを学び(自分独自の方法はできるだけ避けて)、1on1に限らず頻繁に観察して、適切な助言をできるように努めつつ、成果について一緒に一喜一憂していく(何かを上から教えて満足して終わりではない)ことが大事なのかなと、志を新たにしました。

で、具体的には何をするの?というところでは、細かくは各人に対して異なるところはあるのですが、ざっくり言えば、目標というか成し遂げたいこと、という点ではもっとシンプルに分かりやすくして、それにフォーカスした話を中心にするようにして、一方で、雑談というかそれほど大事ではないと今は思っている内容についての話は、明確にアジェンダを設けて時間枠を作るとか、より話やすい形に変えていこうかな、などと考えています。

学習科学ハンドブック 第二版 第1巻: 基礎/方法論

学習科学ハンドブック 第二版 第1巻: 基礎/方法論

アジャイルコーチとスクラムマスターの宴に参加しました

アジャイルコーチとスクラムマスターの宴 #yycr2019 に参加してきました。 参加するまであまり詳細は分かっていなかったのですが、何となく楽しそうだなと思って参加してみたところ、想像をはるかに超える楽しさでした。

会の概要

ハッシュタグyycrは、よなよなCoaching Retreatsの略だと思っているのですが、よなよなはよなよなだとして、Coaching Retreatsというのは、あまりよく分かっていなくて、ググった範囲では、Scrum Alliance Agile Coaching Retreatsという内容を見つけました。 つまり、アジャイルコーチやスクラムマスターをしている人たちが集まって、お互いに知見を深めたり広げたりする場ということかなと思ってます。また、普段の仕事を黙々と続けることで、消耗したり変に偏った仕事にならないように、職場を離れて、自分のやり方を見つめ直したり、見直したりするのにも良い機会なのかなと思います。

このように書くと大変堅苦しくなってしまいますが、Colony箱根という最高の場所を2泊3日貸し切って、今ここにミサイルが落ちたら日本のアジャイル界隈に大打撃だなと思うような方々と、美味しい食べ物、飲み物を嗜みながら、昼夜を問わず、世界情勢からこんまりまで(何から何までなのかよく分からないですが)色んな話を楽しくできる、我が世の春のようなイベントでした。

一応、全体としては、OST(オープンスペーステクノロジー)の形で進められていまして、事前に決められたテーマや座学などは無く、2.5Hぐらいのタイムボックスと何箇所か用意された場所を利用して、各自テーマを持ち寄って議論をする形でした。ただ、途中で抜けたり、途中で参加したり、新しい議論を立ち上げたり、など参加の仕方は自由なので、特に枠にとらわれず、みなさんやりたいことをやっていたという印象です。そういう場をうまく利用する姿勢もさすがだなと思います。

印象に残っていること・思ったこと

参加した中で印象に残っていることを徒然と書いていきます。あまり詳しく書くと大変なので、メモ程度に。(書いてはいけないことは書いていないつもりですが、まずい内容がありましたら修正しますのでご指摘ください)

アジャイルコーチってどういうことをしているのか、という話

  • 自分は自チームのScrum導入などはあっても、外部に人という立場で実践したことがないので、関わり方が興味深かった。
  • 平均すれば6ヶ月ぐらいで現場を離れることが多いらしい。自分はその期間で成果を出せる自信が全くない。が、やってみたい。
  • 具体的な助言をすること(またはそのタイミング)に気をつけている人が多くいた。自分で気付いてもらうことの大事さとか、それをやった結果の責任がとれないみたいな意味でのリスクとか色んな観点がありそうだが、自分は(気をつけてはいるが)普段そこまで深く考えないで行動しているかも。
  • コーチするのにやりやすいチームとやりにくいチームみたいなのはあるはず。やりにくいコーチをするのに高い山を登るようなやりがいを感じるのか、やりやすいチームで成果を出すことにやりがいを感じるのか、自分の中で悶々と考えていたが、軽く聞いたところ、自分がかけられる労力とのバランスみたいな話がもらえて、それはそうかという気持ちに。
  • でも、依頼する人自体に変わる気がなければ仕事は受けないという話があって、さすがにそこは大事ですね。野球やりたくない人に野球を教えても仕方がないなと思います。

世界情勢の話

  • 中国は国家規模で戦略を持っていて、それに希望を持ってみんな動いている(らしい)。日本もエンジニア界隈から政治家になる人がいた方が良いんじゃないか。ドキュメントはGit管理して、差分見やすくした方が良い。みたいな話を。こうやって話をしていると、大きなビジョンも戦略もなく、目の前のバグを潰すことにしか投資していない会社みたいに思えてきて、それに対して、自分は何ができるのだろうか、と。
  • 日本は少し前はすごく強くて、今は弱くなってきていて、それがすごく強い時代の成功体験に縛られたり、成功したから失敗が怖くなるというような考え方の変化によるもの、みたいなことがあるとして(仮に)、そういう盛衰の流れとその裏にある力学を、システム思考的に整理できたら楽しそうだなと漠然と考えていました。

スクラムマスターの評価を考えるという話

  • ちょっと参加しただけだが、チームの置かれている状態を評価する評価軸を決めていく話は大変興味深かった。
  • 今何が強いのか、これから何を強化するべきなのか、などは、個々の状況に依存する話だと思うが、それが分かりやすい状態は、色々気づきが出てきそう。

ヨガを通じてアジャイルを考えるという話

  • ヨガは自分と向き合うもの。マインドフルネスでも似た話があった。メタ認知に興味がある自分としては、自分と向き合う的な話は今後色々と調べていきたい。
  • 驚くぐらいに体が暖かくなった。
  • ヨガとても楽しかったので、ちゃんと習ってみたいなぁ。

新しいスクラムの研修を考えたいという話

  • 今やっている研修で意識しているポイントなどがぽろぽろ聞けたのはおもしろかった。
  • 参加者によって効果は変わりそうだし、経験と改善の積み重ねが重要なんだろうなと想像。
  • 漠然とした話に終わらず、時間内で内容が決まり、研修中にブログ作成、研修のテスト実施まで出来ていたのは、さすがすぎて感動的だった。
  • メンバーの練度が高いとこんなにも動きやすくて成果も出やすいのだなという当たり前といえば当たり前のことに気付く。

その他

  • アジャイルの広がりのきっかけにRailsクラウドがあったのではないか、という話。早く作れるアーキテクチャができてより一層アジリティが重要になったのではというような内容。特定の企業が広めたとかではなくて、技術によって広まったという視点が新鮮だった。
  • 黄金体験。サービス精神溢れている人はサービス精神を止められない。
  • 何度お風呂に行っても、2〜3人としか同じタイミングで遭遇しなかった(20〜30人いるはずなのに)。こういうところでも、それぞれ考えて動いているのを感じる。
  • 洞察の話。自分がいかに頭がかたいのかよく分かって良い経験になった。
  • 信頼の構造の話を興味深く聞いてもらえた。(普段はあまり興味を持たれない)
  • 文化人類学の話。自分は全然付いていけなかったが、とてもおもしろそうな内容でこれから学んでいきたい。まずは菊と刀から。
  • こんまりはアジャイル
  • 蟻が蟻塚を作ることを考えると、人間は仕事を複雑にしすぎている。

最後に

とても有意義な会を開催頂いたアトラクタのみなさまありがとうございました。また、今回色々な方と知り合えたことが何よりも良かったことかなと思っております。参加者のみなさまありがとうございました。

Agile2018 in San Diego に行ってきました - その1

2018年8月6日〜10日までカリフォルニアのSan Diegoで行われていましたAgile2018というカンファレンスに行ってきました。クロージングトークブログ書くまでがAgile2018だよ、とは言われなかったのですが、せっかくなので、色々書いておきたいと思います。具体的なセッションの内容については、動画とかを貼りつつ見ながら書きたいので、まずは、ざっくりした内容を書きたいと思います!

Agile2018とは

www.agilealliance.org

世界中のAgile好きが集まってワイワイする会、みたいな感じかと思っています。今年はサンディエゴで開催されましたが、来年はワシントンD.Cでやるみたいです。

San Diego Marriott Marquis & Marinaが会場だったのですが、めちゃくちゃ綺麗で素敵な場所でした。(語彙力)

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参加して思ったこと

Code of Conduct による安全性

まず、個人的にありがたかったのは、いまいちな英語しか話せない状態で単身乗り込んで行っている身としては、自分なんかが参加してしまって良いのかというような罪悪感が少なからずあったのですが、主催側からCode of Conductの説明をしてもらって、自分にもちゃんとこの場を楽しめる権利があるんだな、という実感が持てたことです。

Code of Conduct | Agile Alliance

特に英語が分からなかったり伝わらなかったりしたときは心が折れそうになったんですが、こういうことを言ってもらっていると、参加者として安心感があるし、逆に日本に来た日本語不得意な方とかにも、こういうことは積極的に言っていくべきだなという気付きがありました。

ディスカッションを推奨する会場設計

日本のカンファレンスと違うなー、と個人的に強く思ったのは、常に誰かと話すように会場が設計されていなるな、ということです。他の海外カンファレンスに行ったことがないので、これがAgileカンファレンスだからなのか、海外カンファレンスだからなのか分かっていないのですが。

セッションを聞く席も、食事の席もすべて丸テーブル+イスになっていて、強制的に知らない人と距離近めで座ることになります。なので、セッションの前とか食事中とか雑談をすることも多かったです。

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座席はいつもこんな感じ

仮に一人でテーブルに座っていても、誰か座ってきた人が挨拶してきて、雑談が始まります。(もちろん、スマホいじってて、雑談しない人とかもいるんですが)

雑談で印象深いのは、フランスから来た方に「ワールドカップ優勝おめでとうございます」という話をしてたら、「日本もだいぶ強くなったよね」と言われて、「いやまだまだ世界との差はありますよね」と返したら「でも、1998年の時は、かなり差があると思ったけど、今はその差もだいぶなくなってきたと思うよ」と返されて、フランスの方から見てもそう見えるのかと(全然関係ないから止めます)

それと、セッションが始まる前に「セッション始めるまで、あと12分あるけど、今度プロダクトオーナー向けに研修やるから、研修資料見て、コメントしてくれない?」と話かけられ、言われるがままコメントしたら、「コメントしてくれた人にはプロトタイプのリンクをメールで送ってるだけど、LinkedInやってる?やってないの?おー、それは残念。。。コメントしてくれた人と記念撮影してるから、写真撮ってくれる?」みたいな感じで、すごい勢いの人がいました。

一応、多少は話せたのですが、やっぱりついていけないことも多く、もっと色んな人と深掘りするような話が出来たら良かった。。。というのが正直な感想です。英語学習のモティベーションが上がりました。

何のために来たのか

初日のランチで、偶然Esther Delbyさんと一緒になりまして、例によって雑談をしていたのですが、「それで、あなたは何のためにこのカンファレンスに来たの?」と聞かれて、「どんなものなのか様子を見に」とかは言えず、もにょもにょした答えしか出来なかったので、それ以来、何をしに来たんだろうか、と遅ればせながらしばらく考えてました。

もちろん色々刺激はあるし、知らないこともあるので勉強にはなるんですが、セッションを聞くだけなら録画を観れば良いし、やっぱりわざわざ現地に行く意味としては、コミュニティとしての相互作用なんだろうな、ということを考えていました。だからこそ、もっと英語を話せるようにならないとあんまり行く意味がないな(薄れるな)というのが個人的な感想です。

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建設的相互作用を起こしたかったのですが・・・

例えば、組織の学習を阻害する要因は何だと思う?というディスカッションをしているときに、話し相手(アメリカで勤務)が「上司に悪い内容を報告しない」と言っていて、なぜか報告しないのかと聞いたら「評価が下がるから」と言われたわけです。それを聞いて、言われてみれば(一般的に)日本よりもっと評価が厳しく解雇とかされるアメリカで心理的安全性を確保するのって、より難しいのかも、という気付きがありました(本当かどうかは知りませんが)。こういう気付きが会話から生まれるのが好きですねー

どれだけ無駄なく学習するか、に注目が集まっている?

これは、もうちょっとセッションを振り返りつつ、具体的に改めて書きたいですが、雑に全体的な感想として思うことは、Agileってものすごく雑に言えば、より良いものとか、やり方とかを見つけていく(uncovering better ways)ってことだと思うのですが、そのためのアプローチとして、「実際にやってみて知る」とか「ドキュメントを読んで勉強する」とか「誰かに教えてもらう」とか色々ある中で、どうやれば効果的に(成果:アウトカムを出せる形で)学習する(見つける)ことが出来るのか、という話が多かったのかな、という印象を持ちました。

(個人として、ここ1年半〜2年弱ぐらい、認知とか学習、モチベーション辺りの科学的な内容の勉強をしているので、ある程度それのバイアスがかかっている予想もしていて、注意が必要なのですが、)

実際に、脳の話をしているセッションもいくつかありましたし、個人と組織で違う側面もありますが、ざっくり言えば、「人間って(脳の仕組みとか社会心理とかで)こういう性質を持ってるという現実があるから、それの中でうまくやるにはこういうことをしたら良いんじゃないかな」という話をしている気がしていました。

つまり、もちろん失敗を恐れずに挑戦することは大事なのですが、ある程度科学的に証明されているようなことを自分たちで再現して失敗するのは無駄だし、アウトプットだけ出してアウトカムが出ないようなプロセス回して学習しようとしても無駄だし、ということで、逆にその辺りをよく知れば、うまくやれることが増えるのでは、ということかなと思っています。

例えば、人間がコンテキストスイッチに弱いことを能力的に克服しようとしても無駄だし、システム思考で言う相殺フィードバックを知っていたら短絡的な解決策にトライすることはないかもしれないし、内発的動機付けされた方が成果出るのに外発的動機付けに注力するのは効率悪いし、みたいな感じかなと。

まあ、全然これまでを知らないですし、元々こんな感じの内容だったのかもしれないですが、個人的にやっていることと近い内容を感じることが出来たのは嬉しかったです。

San Diego 良いところ

最後は、カンファレンスの内容とは関係ないんですが、サンディエゴとても良いところでした。 海外に1人で行くのは初めて、かつ、他のところもそんなにたくさん行ったことがあるわけではないのですが、サンディエゴは気候的にも街の雰囲気的にもとても過ごしやすかったです。

気温はそれなりに高かったのですが、天気が崩れることは少ないようで、カラッとしていて、とても快適でした。地元出身というご年配の女性が「今来ている方には本当に申し訳ないです。私が生きてきた中で、一番ひどい夏です。毎日暑くて死にそう」みたいなことを言っていたのですが、1日でも日本に来たら簡単に記録更新出来ますよ、と思ってました。

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Santa Fe Depot 駅(宮沢りえとは違う場所)

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何度かお邪魔したスーパー

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打ち上げで行ったベルモントパークのビーチ

あと、BIRDとかLIMEというセグウェイを使った電動スクーターが街中に置かれていて、乗っている人もたくさんいました。簡単に乗れて、ちょっとした移動をして乗り捨てられるので(多分)、旅行客には良いものだなーと思います。

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こんな感じで置かれています

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ハンドルはこんな感じです

とりあえず、その1は以上で、折を見て続きを書いていくつもりが今のところはあります・・・

Safari Books Online をもっと良い感じで使えるようになりたいです

Safari Books Onlineとは

www.safaribooksonline.com

正確な内容は未だによく分かっていないんですが、簡単に言うとみんな大好きオライリーの本が読み放題なサービスです。本だけじゃなくて、ドットインストールみたいに教えてくれる動画もあります。受けたことはないんですが、オンラインレッスンみたいなのもあるみたいです。

言わずもがな全編英語なんですが、技術系の英語は比較的簡易なのと、コードがボディランゲージ的な役目を果たしてくれるので、読むのも聞くのもそんなに難しくはないです(個人の感想であり、内容を確約するものではありません)

私が勤めている会社では、ありがたいことに、このSafari Books Onlineが(個人としては)無料で使えるので、どんどん活用していきたいのですが、まだまだなので、ここで一度魅力を整理することで、もっと良い感じに使っていけるようになろう、という考えです。

Safari Books Onlineの魅力

本がたくさんある

どういう基準で本があるのか未だに分からないのですが、オライリー本以外にも結構本はあって、例えば、Kotlinイン・アクションって日本ではマイナビ出版さんから出てますが、Safari Books Onlineでも見ることができます。あと、日本語になって発売されていない本やまだ発売していない本もあったりするので、本当に読みたい本はたくさんあって、精神と時の部屋に入れれば、別人になって出てこれる感じがします。(精神と時の部屋wifiないかもしれないですが)

例えば、先日Server Side Swiftのフレームワーク「Vapor」が身近なところで話題になったのですが、日本のamazonで「vapor swift」検索しても1冊しか見つかりませんが、Safari Books Onlineで調べると125冊の本と1個のレッスン動画が見つかります。

PCでもスマホでも読める

普通にスマホアプリで読めますし、動画も含めてダウンロードも出来るので、移動の中でも大丈夫です。でもちょっともっさりしているので改善はしてほしいです。あと、逆にPCでもブラウザで読めるので、PCの作業中はPCで読めて良いです。(ちゃんとどこまで読んでるか、とかも同期されます)

みんなで読める

弊社の場合、全員Safari Books Onlineが読めるので、Qiita:TeamとかConfluenceみたいな情報共有のページに直接Safari Books OnlineのURLを貼っておけます。ここが参考になったよ、みたいな感じですね。あとはもちろん読書会とかで一緒に読むのも本を用意する必要がないのでハードルが低くなって良いです。

日本語がチートに感じる

比較的平易な英語だと言ったが、あれは嘘だ。ではないんですが、とはいえやはり日本語の方が得意なので、普段読んでる日本語の本がありがたく感じるようになります(Safari Books Onlineの魅力とはちょっと違いますがw)

オフィシャルサイトのドキュメントとかに抵抗を感じなくなる

これも副産物的な内容ですが、だいたいの言語のオフィシャルサイトは英語なので、英語で学ぶのに慣れてると、オフィシャルサイトとかに行くだけで基本的な知りたいことは結構普通に知ることができて、なんて親切なサイトなんだと感謝することができるようになります。

でもお高いんでしょう

私は個人で契約しているわけではないので、全く同じ内容かは分からないのですが、サイトによると$39/monthみたいですね。書籍自由に買えますみたいな会社は多いと思うので、これぐらいだったら、会社で契約するのも良いんじゃないかなと思いますね。

逆に自分で払ってないと危機感が薄くなるというか、読まなくても損しない気持ちになってしまうので、きっと実質給料から引かれているんだという気持ちで使っていきたいと思います。

人材開発研究大全 第27章教師の専門性発達 まとめ

人材開発研究大全 第27章教師の専門性発達の内容について読書メモです。

こちらの読書会に向けた事前のまとめになっています。 career-update-org.connpass.com

教育の質を向上するためには、教師の質を高める必要がある

  • これまでは教師となるための条件(資格や採用基準)の設定に焦点が当てられることが多かった
  • 教師が教職についてからも「学習者」として成長していく存在という認識が持たれたのは最近
  • 日本では教員育成は大学で行われる「開放性」が採られている。
    • 学生は教職とは別の専門分野について勉強しながら教員免許を取得する
    • 輩出する教師の質に大学が責任を持つという考えとは隔たりがある
  • (急に)教員養成についてリフレクションという概念に関する研究に注目していく

日々の実践を通じて経験値を蓄えていく

  • 教師は複数の学習者を集団で指導しつつ、学習者1人ひとりに合わせた対応を取ることも求められる
  • 「あのときの対応は正しかっただろうか」などと内省(リフレクション)することが、教師の成長に重要な役割を果たす
    • 自らの経験から学びを得ていく
  • 教師だけではなく、学習者(生徒)もリフレクションを行っている

学習者のリフレクション

  • デューイの「思考の方法」によれば思考の種類は4つある
    • 頭をよぎることすべて
    • 直接見たり、聞いたり、嗅いだり、味わうことができないことについて想像すること
    • 何らかの証拠や証言に立脚するもので、その信念が立脚している土台をさほど問わない思考であるもの
    • 何らかの証拠や証言に立脚するもので、どの土台が丹念に吟味されているいるもの
  • 3つめと4つめの違いをつくるものがリフレクション(デューイの定義では省察的思考)
  • 省察的思考は本来、明確な帰結を含めるものでなければいけない
  • しかし例えば、人間関係における対応など、こうすることが正しかったという論理的で普遍的な「帰結」が存在しないものがある
  • その中で、個別具体的な関係や文脈などに応じて経験を積みながら、少しずつ精度の高い結論を1人ひとりが出していく必要がある
    • 「帰結なき事柄の探求」

帰結なき事柄の探求

  • 明確な答えが出ない問題に向き合い、自分たちなりの答えを見つけていくようにするためには、学習者たち自身のリフレクションを促すしかない
  • 「行為についてのリフレクション」と「行為の中のリフレクション」
    • 「行為についてのリフレクション」は過去のできごとを振り返って、新たな知識を組み立てること
    • 「行為の中のリフレクション」は何か行為をしているその瞬間的に、ほぼ無意識的にとっさに思考し、判断し、次の行為をする
    • (ムズカシイ)行為しながら思考することと、行為後に意識的にその行為を思考する関係が、行為と思考の間の関係として成立し、両者は循環的螺旋的プロセスで行われていく
    • 状況と対話しながら瞬時に思考し行動する。新しく直面した不確実な問題状況に対処し、状況を変容させるべく、状況との対話をしながら行動していく
    • (感想)Agileとか、TDDっぽい

教師のリフレクション

  • 予期のリフレクション(行為の前のリフレクション)
    • 起こり得る可能性について熟考し、どのような行為を取るかを決め、計画を立てる。そうして、予想した出来事や計画した行為の結果として、どのような経験が起きるかを先読みする
  • 能動的あるい双方向のリフレクション
    • その場で起きている子どもたちの様々な行動から、出来る限りの情報を読み取って、瞬間的に対応しようと試みる。瞬時のリフレクション。
    • 教育学的な場面における思慮深い行為
      • 完全に論理的・合理的な判断を行うことが不可能で、かつ、瞬間的に判断しなければならない場合、目の前の子どもたちの状況をみながら、その背景にある感情や経験について出来る限りの配慮をした上で、判断し、行動する
      • 思慮深さ、マインドフルネス
  • 追憶のリフレクション
    • 行為についてのリフレクションと同じ
    • こどもたちとの過去の経験をふりかえることで、新たな気づきや知見を得て、専門家として成長する

リフレクションの手法

  • 教師はどこでリフレクションのスキルを習得するのか
  • リフレクションのスキルを伸ばす手法や仕掛けに関する知見は近年までほとんど蓄積されてこなかった
  • コルトハーヘンは、理想的なリフレクションのプロセスを表すモデルを開発し、オランダ・ユトレヒト大学の教員養成課程に取り入れた

コルトハーヘンの教師育成プログラム改革

  • 特徴は、学生たちが学校現場で「経験学習」を行う期間を約11週間と長く確保したことと、経験学習の期間の前後には、大学でその経験についてリフレクションし、理論に立ち戻る期間を設けたこと
  • 現場ー大学往還型のプログラム
  • 教育に関する知識を抽象的な知識として覚えさせるのではなく、学校現場で直面する問題の解決や対応に役立てる実用的で身近なものとする
  • 自らの経験や関心に沿った形で理解し、習得できることを目指している

ALACT モデル

  1. Action : 行為
  2. Looking back on the situation : 行為場面の振り返り
  3. A Awareness of essential aspects : 本質的な諸相への気付き
  4. Creating alternative methods of action : 行為の選択肢の拡大
  5. Trial : 試行

「本質的な諸相への気付き」が飛ばされて、本質的な要因への気付きがないまま、原因を曖昧に推測して、具体的な行動が何も示されない結論で満足し、思考を終えてしまう人が多い。「今日は調子が悪かった」「次はがんばります」

8つの問い

「本質的な諸相への気付き」をより確実に達成するための仕掛け。「行為場面の振り返り」で用いる

0. どのような文脈だったか?

  1. あなたは何を考えていたのか?
  2. あなたはどのように感じていたのか?
  3. あなたは何を望んでいたのか?
  4. あなたは何をしたのか?
  5. 児童生徒は何を考えていたのか?
  6. 児童生徒はどのように感じていたのか?
  7. 児童生徒は何を望んでいたのか?
  8. 児童生徒は何をしたのか?

コア・リフレクション

  • ALACTモデルに従ったリフレクションが有効的ではなく、より深いものが絡んでいるケースがある現実に注目し提示されたもの
  • その人のパーソナルな領域にまでは入り込まないながらも、核心からの変化を生み出すことができるより深い形のリフレクション
たまねぎモデル

リフレクションする内容を7つの層に分類する(上から順番に外側の層で、内側の層になっていく)

  1. 行動
  2. 能力
  3. 信じていること
  4. アイデンティティ
  5. 使命
  6. コアにある資質(強み)

外側から内側に向かってリフレクションを行い、齟齬を見つけた場合には、内側を入念にリフレクションし、言語化することから始めて、それらに基いて外側の層の内容を修正する

リフレクションを促す専門家としての教師教育者の可能性

  • 教師の成長においては、リフレクションを通じて自分なりの経験知を蓄積し、その経験知の正当性や効果を随時点検していくことが重要
  • 理想的なリフレクションのサイクルを回していけるように教師1人ひとりを支援する必要がある
  • リフレクションを促す役割を担えるような教師教育者の養成が問われなければならない
  • 日本においては、一般的には教師教育者という言葉自体になじみがなく、教師を育てる責任を担う専門家を大学等に築いていくことが求められる